現実的な脱原発派が日本を救う、かもしれない
私は脱原発派で、可能な限り早い時期に原発ゼロにしてほしいと思っている人間の1人なのだけど、その理由は、放射能が日本人にとってあまりにも忌避すべきものになってしまっているからだ。
放射能の危険性は、例えば火と比べたらだいぶ低い。
火は火事を起こし、毎年たくさんの死者を出している。
体の半分以上を深く火傷したら、たいてい助からない。
でも、放射能を浴びても簡単には死なない。
東海村の原発におけるJCOの事故では、臨界を止めるため、3人の作業員が炉内に送り込まれ、作業中に青い閃光を間近に大量に浴びたが、1人は生き残った。
もちろん、生き残れた人も骨髄移植などをしてぎりぎりで助かったわけで、今もさぞかしおつらい思いをしてらっしゃるだろう。
軽く考える気は微塵もない。
だが、火だったら、燃え盛る家の中に普段着で入っていくようなものであり、即、全身黒焦げだっただろう。
でも、「火を日本からなくせ」と言う人は、まずいない。
火は基本的に忌み嫌われてはいないからだ。
宇宙飛行士の古川さんは、5ヵ月の宇宙ステーション滞在で、地上の人間が普通に浴びる放射能の量の100年分を被曝したという。
でも、反原発派の活動家も「日本人を宇宙飛行士にするな」とは言わない。
本人が望んでいるからいいのか?
だったら、本人達が望んで住んでいる住民がほとんどである福島に対して「人が住めないところ」などという活動家がなぜ絶えないのだろう。
日本には1950〜60年代に、中国やソ連の大気圏内核実験による放射能が大量に降り注ぎ続けた。
その後も、ソ連が核廃棄物を日本海に投棄し続けたりした。
それでも、日本は放射能で壊滅したりはしていない。
そして、当時のマスコミは中国やソ連を非難するような報道キャンペーンははっていない。
福島の原発事故に関しては、放射能で日本が壊滅してしまうような報道を続ける新聞社やテレビ局があるが、中ソの放射能バラマキは責めない。
特に子供を持つ母親、妊娠している女性、子供を持ちたい女性にとっては許しがたいものだ。
あるだけでストレスなのだ。
そういう女性を愛する男性にとっても同じレベルでストレスだろう。
いったん、とことん汚らわしいと思ってしまったものは、忌避感が絶対に拭えない。
駅に10年以上置かれていた痰ツボを、いくらきれいに洗っても、そこにお茶を入れて飲むことは不可能だろう。
放射能も同じだ。
幸い、GTCC(ガスタービンコンバインドサイクル発電)という技術が実用化間近らしい。
猪瀬前都知事が実現に向けて動いていたという。
天然ガスなどを燃料にするものだが、もしかしたら日本の近海に眠るメタンハイドレートが使えるかもしれないようだ。
これで、太陽光や地熱、風力などの再生可能エネルギーで電力が賄えるようになるまでのつなぎになるかもしれない。
それもかなり長期的に。
こういうのを公共事業にして、どんどん予算を注ぎ込めば、経済も活性化し、アベノミクスにも追い風になるに違いない。 国家的事業として早く着手すれば、細川氏や小泉氏、宇都宮氏が主張する原発即ゼロ、永久に再稼働しない、も可能かもしれない。
左派も右派も、つまらない思想闘争やアホみたいなカルト活動に走らず、とことん現実的な落とし所に向かって皆で結束すればいいのにと思う。
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