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電子書籍サイトは自前の宣伝戦略が必要?

このところ、電子書籍サイトパブーに出している『うああ哲学事典』がポツポツとだが毎日売れるようになってきた。

売れるとトップ画面に表紙画像が出てくるので、それを見てクリックしてくれる人も増える。

こないだのエントリーで「1冊にまとめた方がよかったか?」みたいなことを書いたが、トップ画面にいくつも出てくるようになると、1話ずつ25本アップしてよかったとも思う。

25本全部、同じ真っ赤な表紙にしたのも効いている。
トップの「最近売れた本」の欄に赤いのがずらっと並ぶとけっこう目立つ。

目立てば、人気のある作品、売れている作品、面白い可能性が高い作品というイメージになりやすい。

電子書籍サイトはとにかくトップ画面に表示されないとダメな感じだ。
そもそも、奥に埋もれたら誰にも存在を知られない。
発表してないも同然になってしまう。

紙の雑誌とはかなり感覚が違う。
紙の雑誌は、載りさえすれば多くの人に読んでもらえる可能性が高い。
載せてもらうまでが大変だが。

紙の場合も、雑誌の表紙を飾れば売る効果は高まるけど、そこはそもそも売れている作品の場所である。
あるいは、編集部イチオシの新連載だとか、そういうトップクラスのための位置。
雑誌の宣伝戦略の内側にある。

電子書籍サイトにおける個人配信の場合、宣伝は個々人が工夫するしかないのかも。
いかにして上の方に表示されるか。

と言っても、私もまだ何一つ意識していない。
今のところ、ただ、パブーにアップしてみた、それだけである。

サイトの方も、今はまだ個々がアップした作品が雑然と並んだままで、一定のデータによる規則的なある程度の序列は出てくるが、それはとても流動的で、サイト側はさしたるコントロールはしていない。

サイト側があからさまにコントロールし始めたら、おそらく利用者は引くだろう。
宣伝戦略でいかようにもコントロールする出版社の雑誌とはそこが違う。

電子書籍サイトでは公平性が肝なのだろう。
不特定多数の参加者あってのサイトであり、作品の目立たせ方に意図的なコントロールがあったら、直ちにその場の「ネット世論」が吹き出るだろう。

しかし、これはネット配信の大きな弱点でもある。
以前、このブログで「近未来のマンガ界は都市?砂漠?」という記事を書いたが、電子書籍サイトが今の形のままでただ大きくなっていくとしたら、読者側は広大な砂漠でダイヤの粒を探すような苦労を強いられるだろう。
作家側も描き甲斐が見出しにくい世界になるだろう。

いかにして、従来のプロレベルの作品と、素人の趣味レベルの作品を棲み分けさせるか。
これまでの商業出版のノウハウがネットで存分に生かされる方向に進んでほしいと、私個人は描く側としても読む側としても望んでいる。

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受信: 2010年8月31日 (火) 17時23分

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