『ゴキちゃん』3話目パブーに掲載
電子書籍サイト「パブー」に『ゴキちゃん』3話目をアップ。
http://p.booklog.jp/book/6295
『けつちゃん』と『ゴキちゃん』のパブーへの無料サンプル掲載はとりあえずここまで。
『ゴキちゃん』アップのためにセリフ部分を自分で打ち込んだのだが、途中で「このセリフはこうした方がわかりやすいな」「このほうが面白いな」と直すこと多々。
連載中もシナリオ段階から入稿用のネーム確定までかなり推敲を重ねていたはずなのに、もう一度読み直すと直したくなるから不思議だ。
後の方ほど良くなるとは限らず、人の言語感覚は常に変化しているから直したくなるだけなのかもしれない。
だとすると、なるほど、マンガ家と編集者がネームでもめるはずだ。
マンガ家1人だけなら、時間的に新しい方の私が過去の私の判断を塗り替えるだけですむが、別人2人が同時に判断すればだいたい食い違うだろう。
ネームでもめないペアはマンガ家と編集者のどっちかがガマンしてるか、よっぽど相性がいいかだ。
私も25年この仕事をやっているので、ネームでもめた経験はけっこうある。
まずデビュー当時、担当編集者がけっこう気軽にセリフの言葉を変えて掲載してしまうのに驚いた。
掲載誌を読んで初めて気づく。
私の場合、4コマのくせにやたら文字が多かったというのもある。
コマが狭いのに、メチャクチャ文字が多い。
新人なので、写植には級数があってフキダシの大きさの縦横がこうなら何文字何行までしか入らない、とかわかってない。
ネームで、あるコマのフキダシが、1行目は大きめの書き文字で12文字なのに、2行目は詰めて書いて15文字とか、平気でやっていた。
これは担当もさぞかしうざかっただろう。
担当判断でチャチャッと言葉を割愛するなり調整して、フキダシ内に収める作業をやっても不思議ではない。
でも、あの頃の私は若かった。
ちょっとでも言葉を改変されると自分を否定されたような気がした。
新人のくせに抗議したりした。
そのうち、私も一応学習能力はあるので、自分の1コマに入る写植は18Qで縦が13文字、横はどれくらいスペースがあれば何行入るかを覚えた。
「ため」は「為」、「ぼく」「おれ」は「僕」「俺」にすれば1文字稼げるとか、どうしても縦14文字入れたい時はコマとコマの間の3ミリも使うとか、細かい工夫をした。
一応、きれいに18Qでフキダシ内に収まれば、担当はだいたいそのまま写植にしてくれた。
しかし、担当編集者によっては出版社表記基準ってやつにかなりこだわる人もいた。
「為」はダメ、「ため」と平仮名で開くことになってます、と言って譲らない。
「焼肉」はダメ、「焼き肉」とすることに決まっている、
「アイデア」はダメ、「アイディア」にして下さい、
「マタニティ」「ボディ」「パーティ」はダメ、「マタニティー」「ボディー」「パーティー」が正しい、などなど。
これらのいくつかにはかなり抵抗して、最後はこっちの希望を通してしまったものもある。
単に文字を減らしたいだけではなく、作者のイメージとして譲れないものもあったのだ。
他にも、作者的イメージとして「そおなのよ」と言わせたいキャラのセリフを「そうなのよ」と直された時などは抵抗した。
今振り返ると、どうでもよさそうなことに執拗にこだわってたなあ、と思う反面、あの頃は若くて抵抗力があってよかった、とも思う。
あれ、なんでこんな話に……。
とにかく『ゴキちゃん』『けつちゃん』をどうぞよろしく。
気に入ったらコミックス買って下さい。
『けつちゃん』はオールカラーでケータイ配信もしています。
私はケータイを持っていないのですぐに確認できませんが、多分、
http://moura.jp/manga/michao/pt/073/index.html
ここから携帯サイトに入っていけば読めるはず。
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