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ひろゆき氏が降りて2ちゃんも終わりかけてる?

「言説存在」という言葉をだいぶ前にネット上で目にした。

ネットと言ってもインターネットじゃなく、その前の時代に盛んだったパソコン通信でのことだ。

ニフティサーブというパソコン通信のサービスがあり、最盛期でたしか600万人くらいの会員がいた。
有料で、会員は実名や住所などを登録し、IDとパスワードが交付された。
発言はハンドルネームでもかまわないが、IDと一緒に表示されるので、2ちゃんねるのように全員が「名無し」なのとは全く違う。

ニフティサーブではハンドルネーム(以下、ハンドル)がその人であり、人格であった。
いわば「ハンドル存在」とでも言おうか。
まあ、リアル社会での実名存在と同じようなものだ。
行動範囲がニフティサーブのネット空間に限られるだけで。

恥ずかしい発言をしてしまうと、ハンドル存在としての人格にキズがつく。
議論でみっともなく負けるとハンドル存在のプライドがズタズタになる。

運営側も1人1人の身元を捕捉しているので、荒らし行為をする人には厳しい処置をしていた。
発言削除はもちろん、会員削除なんてのもたまにあった。
「バカ」とか「キチガイ」なんて言葉を会話の相手に浴びせただけでも発言削除だ。
今の2ちゃんねるの投稿なんか、膨大な数、削除されてしまうだろう(とても作業が追いつかないだろうけど)。

各フォーラムにはシスオペという統率者がいて、フォーラムにはいくつも会議室があって、各会議室にはボードリーダーがいた。
まあ、なんて言うか、それで普通ではあるんだけど、学校とか会社の組織とあんまり変わらない窮屈さがあったのも事実だ。
ネット上とは言え、「発言する『人』」の存在は明確だったので、こうなるのもしょうがない。

で、この「ハンドル存在」がそのまま冒頭の「言説存在」なのではない。
「言説存在」は「ハンドル存在」をもっと進めて超越してしまった「『人』ではない存在」だ。

「言説存在」はニフティサーブの中のFSHISO(現代思想フォーラム)の中にいた。

FSHISOだけは異次元空間だった。
まさに今の2ちゃんねるみたいだった。

訴訟騒ぎも起こった。
新聞やテレビでも報じられたので、憶えている人もいるかもしれない。

FSHISOでは罵倒発言が常に飛び交っていた。
誹謗中傷と思われる発言もしばしば。
でも、ここのシスオペは基本的にそれらを削除しなかった。
独自のローカルルール「えふしそのルール」を作って、それで運営していた。

「言説には言説で」
誹謗中傷されても、それに対して同じ会議室上で反論すればいい、という考え方だ。
ある人にひどい事をされたからといって、すぐさまその人に対し天罰を求めるのではなく、まずは自分でその人の言説を咎めろ、まずは当事者同士で言説をもって戦え、ということだ。
しっかり議論して相手の言ってることを否定し、論破してしまうことが本当の名誉回復だ、相手が間違っていれば必ず議論に勝てる、という考え方。

2ちゃんねるも、ひろゆき氏が管理の中心にいた時はそういう感じだった。
ひろゆき氏の管理は要するに「管理なんかしない」管理法である。
誹謗中傷発言がなされ、それに対して削除要請が来ても簡単には受けつけない。
まずは公開の形でメールで要請しなければならない。
それも、自分のIPまで晒して。
「言説には言説で」と同じだ。

私個人は「これはムチャだよなー」と思っている。
誰が好き好んで暴力団事務所に単身で仕返しに乗り込んでいくだろうか。
2ちゃんねるの中の、特に有名人(や、何かでマイナス方向に目立ってしまった一般人)を叩きまくる場所は辛辣極まりない。
単身乗り込んで文句を言えば火に油。袋叩きになる。
被害を受けてもほとんどの人は泣き寝入り状態だろう。

聞いた話では、ひろゆき氏は十代の頃にFSHISOをROM(リードオンリーメンバー)していたらしい。
ソースは2ちゃんなので全くのガセかもしれないが、あり得る話だと私は思った。
運営方針がそっくりだから。
しかも、FSHISOではかろうじて残っていたハンドルネームやIDの義務もなくしてしまった。
IPは捕捉しているので、刑事事件では警察に開示するが、基本的には匿名状態で皆が参加する。
完全自己責任で、皆が名無しで「言説存在」の世界(ただし、有名人側は実名晒しを余儀なくされるという、名無し徹底優位制)。

これは多くの人々にとって魅力的な空間なのだろう。
だから膨大な数の人間が集まった。
いや、膨大な数の「言説」が集まった。

「悪意や攻撃性を持った人が集まる」のではなく「人の悪意や攻撃性が集まる」場所なのかもしれない、2ちゃんねるは。
リアル社会では誰もが認める人格者でも、2ちゃんでだけはドロドロとした本音を名無しで吐露しているかもしれない。
そう考えると、ネットの「言説空間」はリアル社会のコミュニケーション空間とは全く異次元のような気がする。
「写像」なんかじゃなく(笑)。

善し悪しはさておき、本当に「言説空間」に徹することができるのなら、社会のガス抜き空間として必要性はあるのかも。

しかしだ。
今の2ちゃんねるはそうではなくなってきている感がある。
ひろゆき氏が実質的に管理人を降りてしまい、別の人に売り渡してしまってからは。

この1〜2年はものすごい数の書き込み規制が連発されている。
どうでもいいような一過性の荒らしや政治コピペ等があるだけで、すぐに誰かが通報し、運営が削除し、コピペしたやつが使っているプロバイダが(主に地域別に)全サーバ規制になる。

まるで中学校の生徒会みたいなお子様っぽい自治活動。

3年ほど前、こんなことがあった。
将棋板の棋戦実況スレでタイトル戦のネット中継を皆が実況していた。
これはもうずっと前から許されていたことだ。
これこそ将棋板という恒例行事。
サーバーへの負荷もたいしたことはない。

だが、いきなり言いつけ女の子の学級副委員長みたいな運営ボランティアが現れて「実況は禁止です」とスレをストップしてしまった。
怒った住人たちは運営に抗議。
そしたら、単なる気まぐれだったんだろうが、ひろゆき氏が「どうやら管理人」とかの名前で現れ、
「実況、いいんでないですか」
の一言であっさり再許可されてしまった。

ひろゆき氏がまだ管理人だった頃にはこんな感じだったのだ。
言説存在達の本能的欲求をよくわかっていたし、優しかった。

多分、その頃だんだんと強まっていた運営陣の「生徒会」的性質に、ひろゆき氏は嫌気がさしてきていたのではないだろうか。
「ん〜、なんか、おれが作った2ちゃんと違ってきてるな〜。もうどうでもいいかな〜」
てな感じで手放しちゃったというのが真相のような気がしてならない。

かといって、「作ったんなら最後まで面倒見ろ」と勝間氏のような苦情をひろゆき氏に言ったところで聞く耳持たないだろうけどね。
それがまさにひろゆき流なのだから。

2ちゃんねるももう長くはないのかもしれない。

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ネット上の討論。G氏は何言ってんのかよくわからないけど、まぁ素人さんがあのメンバーの中で話すのは大変だよね。又しても池田氏が出てたw企業が今までは事実上セーフティネットを敷いていたがもうそのシステムは持たない。欧州型の国が個人の福祉を見るべきという凄い正論を言っててワロタ。凄い内容を色々話してましたね。面白かったです。又やって欲しい。天皇制まで突っ込んでて話が脱線しまくってたけど、ホリエモンが言う...... [続きを読む]

受信: 2010年5月24日 (月) 13時16分

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