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単行本はマンガ家にとっても商品でしょう

佐藤秀峰さんが最新の日記でこう書いている。

漫画家の持ち物は、原稿とその著作権だけだよ。
単行本は、それを流用して作った出版社の商品なのに、何でこんな簡単なことがわかんないの?

そうだろうか?
マンガ家側から言えば、出版社というシステムを利用して作ったマンガ家の商品 ではないだろうか。

著作権は(原稿も)流用 されてはいない。
著作権は常に作者のみにある。
単行本の出版契約を結んだからといってマンガ家から出版社へ動くわけではない(著作権を譲渡する契約になっていれば別だが)。
流用などしたら、それは著作権法違反である。

出版社はマンガ家と出版契約書を交わし、「出版権」を得るのだ。
そして、マンガ家は印税として売り上げ(というか刷った部数×定価)の10%(他の率の場合もある)を得る。
印税というのは、ある単行本の出版権をある出版社に専有させてあげた対価だ。

「流用」というのは「使途の定まっているものを別の用途に使用すること」(「大辞林 第二版」)である。
マンガ家は原稿(とその著作権)を自分の使途のために出版社のシステムを使って、出版権を得させて、自分の意志で単行本を出すわけであって、何一つ「流用」されていない。

原稿もその著作権もマンガ家が使っているのであり、本を出す主体はマンガ家なのだ。
マンガ家は自著を出してお金を得るために自分の意志で出版社と契約を交わすのである。
単行本は明らかにマンガ家にとっても「商品」である。
単行本はマンガ家と出版社で作る共同の商品だろう。

カバーイラストに関しては、原稿料が出版社から出るのが常識的に考えて妥当だと私も思うが、マンガ家の商品でもある以上、これまでの業界の慣例としてカバーイラストはマンガ家が自分の本のためにタダで描き下ろすことになってきたとしても、根本的にそれが間違っているとまでは思わない。

ただ、カバーイラストにはお金が出ない何らかの理由とか事情があるのなら知りたい。
大昔に何かそういう経緯があったのだろうか。
超ベテランのマンガ家さんとか、もうとっくに引退した編集者さんとかなら事情を説明できる人がいるかもしれない。
竹熊健太郎さんとかが調べてくれるのを期待しておこう。

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