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佐藤秀峰さんのネット配信システムがスタート

新しい記事もアップしていないのに、昨夜からいきなりブログへのアクセス数が増えたのでアクセスログを見てみると、佐藤秀峰さん関連で検索してきた人がほとんどだった。

何だろう?と思って検索先のリンクでグーグルへ行ってみると、どうやら昨夜から佐藤さんが例のマンガネット配信を開始したらしい。

私の「佐藤秀峰さんは全てを公開すべき」がグーグルの上位に来ていてビックリ。

さっそく昨晩深夜にアクセスしてみたが、大勢が見に来ているらしく、やたら重い。

まだ読んでなかったスピリッツ版の『新ブラックジャックによろしく』第1話だけ何とか読むことができた。
表示にすごい時間かかったけど。

一読して思ったのは、登場人物のキャラクター描写がちょっと浅くなったかも、ということ。

最初の、モーニングの『ブラックジャックによろしく』はすごかった。
当時、連載陣の1人だった私は純粋に読者としてのめり込んだ。
読み終えた瞬間から来週号が待ち遠しくて仕方がない、それくらい面白かった。
ああいう気持ちは少年時代にマガジンやサンデーを読んでいた頃以来だった。
これは当時、自分の担当編集者にも言った。
「すごいマンガが始まりましたね」

当時のキャラ描写は深くて的確だった。
いや〜な性格のキャラも十分に掘り下げられていた。
それに対して主人公が憤るのも納得がいった。

だが、『新〜』のほうでは、スピリッツに移って新連載1回目だというのに、唐突に嫌な性格(人格)の女医が出てくる。
それに対して憤りを感じているような雰囲気の主人公。
でも、2人の関係に全く説得力がない。

これから関係が掘り下げられていくのかもしれない。
だが、そんな杜撰なやり方は佐藤さんはしないと私は思っていた。
モーニングの時の緻密な描写に惚れ込んでいたから。

ご本人のサイトの日記によれば、スピリッツでは編集者にネームを見せず、完成原稿をそのまま掲載するという契約にしているようだ。

これは、私の勝手な言い分だが、作家にとってマイナスにしかならないのではないか。

一度、独り善がりの道に入り込んでしまうと、自分の位置が把握できなくなるものだ。
それどころか、上下左右がどうなってるかもわからない空間識失調に近い状態に陥ってしまう。
いつも足場を作ってくれて、重力で地面にしっかり立たせてくれる編集者が絶対必要なのだ。

絵の表現力はさすがで、それだけでぐいぐい画面に引き込んでしまう魅力は健在だった。
緻密な絵による背景描写での間の取り方も超一級。
こんなの私には永遠にできない。
うらやましいなんて次元じゃなく、雲の上の才能って感じ。

だからこそ、今の人物描写が惜しい。

このままでは肝心の主人公すら、いや〜なやつになってしまいかねない危険性を私は感じた。
この後を読むのが怖いというのが正直な感想だ。(でも好きだから読むけどね(笑))

ネット配信システムに関しては判断は保留したい。
まだほとんど準備段階のようだし。

とにかく応援してます。
そして、編集者を大事にして下さい。

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