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大井川鐵道&奥大井旅行記のネームが通った

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モーニング増刊「大井川鐵道&奥大井」旅行記マンガのネームが無事通った。
細かい修正点はあるが、一発で24ページほぼ全部オッケーが出た。
うれしい。

あとは作画に入るだけ。
ページ数が多いし(基本が4コママンガ家の私にとってこれまでで最長)、取材旅行で撮ってきた風景写真を駆使して画面構成しているので、完成までに10日以上かかりそう。

Photoshopのフィルター機能でどれくらい輪郭線を補助できるか。
いかにも写真を加工しましたという絵は嫌いなので、ほぼ全部手描きでいくことになると思う。

一緒に取材旅行に行った担当K氏は、今月も別のマンガ家さんと森林鉄道の取材旅行に行ってきたもよう。
すごいバイタリティーと体力だ。

「鉄」増刊のクオリティーもそれに比例してかなり高いものになるのではないか。
取材に手間と時間を惜しみなくかけており、しかも中身が濃い。
なにしろ行きたいところに行って、観たいものを観て、やりたいことをやってくるんだから。
(ただし、贅沢はしないので、さほど金はかかっていない。)

私自身、これまで旅行記マンガは『よしえサン』シリーズで多分10本以上描いているが、「マンガを読んで同じ場所をトレースしてきました」という読者さんがけっこう出てくるのでうれしい。
今後は「リピーターを生む旅行記マンガ家」と呼ばれるようになりたいものだ(笑)。

取材旅行に行くと1週間くらいの行程なら、中身が濃くて複雑なほどしっかり記憶に残る。
撮ってきた写真を順番に見ていくと、体験したことが細部までクッキリと浮かび上がってくる。
頭の中でビデオ映像が再生される感じ。

マンガ用の資料写真を撮る際のコツもわかってきた。
例えば、時々進行方向のうしろを振り返って撮るといい。
こうすると、マンガにする時、キャラを前から描けるのだ。

以前はひたすら進む方向に向かって、見えてきたものを撮るばかりで、例えばお寺の長い階段を上るシーンではキャラの背中を描く構図の写真しか撮れておらず、マンガにする時に苦労した。
ちょっと止まって、階段の下方を振り返って1枚撮っとけば絵が楽だったのに、と後悔したものだ。
そういや、「川口浩探検隊」も必ず先にカメラマンが行ってたじゃないか。

今はデジカメがあるので、メモリさえしっかり用意していけば、膨大な数の写真が撮れるのもうれしい。
現像・プリント代がかからないので、採算を気にせず撮りまくれる。
だから、ネタになりそうな物や建造物等を見つけたら、様々な角度や距離から何枚も撮っておく。

前回、15年前に家族で大井川鉄道に乗った時は普通のアナログなカメラだったので、プリント代だけで3万円もかかかっていた。
この時はアフタヌーンでオールカラー8ページの『よしえサン』(4巻所載)を描いたのだが、当時はハードディスクの容量も少なかったから、使う写真を全部スキャナーで取り込むだけでも大変だった。

今回はベストなアングルの写真をきっちりセレクトして背景にしているので、あとはそれをうまく絵にするだけだ。
それが一番私にとっては難しいのだが……(苦笑)。

とにかくモーニングの「鉄」増刊、超オススメである。
8月頭くらいの刊行予定だそうだ。

売れたら、シーズン増刊(年4回刊行)くらいにしてほしいところだ。
「秘境駅」に行くのが楽しみになってきたからだ。
大井川鐵道の某駅はすごかったですよ〜。
(上の写真は接岨峡温泉駅。ここは秘境駅というほどではない。その次の駅が……)

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