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2009年6月

羽生名人防衛!新構想を生んだ集中力

24日は名人戦第七局の2日目だった。
場所は愛知県豊田市。
ほとんど名古屋と言っていい。

名古屋に羽生名人が名人戦で来ている。
しかも、対戦成績3対3のタイで迎えた最終決戦。
対局場のホテルフォレスタまで行きたいくらいである。

でも、24日の昼過ぎ、私は東京に向かって新幹線に乗っていた。

東京の出版社に新作の持ち込み営業をするためである。
営業は好感触で、かなり成果をあげられたと思う。
これに関しては、また次のエントリーで書きます。

名人戦の結果は帰りの最終新幹線の車内で知った。
自動ドアの上についている電光掲示板の右から「中日新聞ニュース」の文字が現れ、それに続いて

「将棋名人戦 羽生名人が防衛 郷田九段を下す」))))))))))))

と流れていく。

帰ってからテレビの録画で観て知るか、ネット中継の棋譜速報を再生して知るか……棋譜再生画面を開くには、結果が大きく表示されている応援掲示板の部分を何かで隠してうまいことクリックしないと……などと考えていたところだったので、「えっ」て感じだったが、知らされちゃったという不快な感覚はなく、なんかとにかくホッとした。

もちろん、ご本人が一番ホッとしたであろう。
タイトル戦のスケジュールは詰まっていて、羽生名人はそのままホテルフォレスタに連泊して、同じ場所ですぐに棋聖戦第三局を指さねばならない。

いや、負けると「羽生名人」としては対局できない。
第二局までは名人だったのに……私だったら力が抜けちゃって困るだろうな。

また、失冠すれば普通のA級棋士となり、来月あたりにはA級順位戦の対局も来るだろう。
これもまた、名人失冠の後に指すのはモチベーションを取り戻すのが大変だと推測する。

実際、「名人の特権はA級順位戦を指さなくてもよいことです」と森内前名人が言っていた。
1年にわたって続く最も過酷なリーグ戦を高見の見物していられるわけで、棋士としての最高の贅沢ではないか。

さて、第七局は羽生名人の圧勝だった。
最後、郷田九段はまだまだ粘って局面に紛れを作る手段も何度かあったようだが、中盤の羽生名人の新構想に一本取られてからはかなり悲観してしまっていたようで、最も早く負ける順を選んだような進行だった。

羽生名人の新構想、31手目▲4六歩は解説の渡辺竜王も他の棋士も読めていなかった。

そしてさらに41手目▲4五歩。
この手の1手前、△2二玉の時点の解説コメントでは、
「うん、なるほど! これは互角に見えてきました」(渡辺竜王)
「▲4五歩と攻めるのは少し軽い感じで、〜中略〜これは先手の攻めが受け止められそうだ。」
とある。

▲4五歩と指された時のコメントは、
「▲4五歩と行った?!」(渡辺竜王)

そして、決め手の43手目▲6五歩。
これも棋譜コメントを見る限り、検討陣は読めておらず、ここから郷田九段は追いつめられていく。

これ以降は検討陣も進行例を着実に解析していき、ほぼその流れの中で進んでいくが、その後を解析できるなら、どうしてその前に手を当てられないのか。

将棋は完全情報開示型のゲームであり、検討はトップ棋士が複数で、それも盤を使って駒を動かしながらやるのであるから、頭の中だけで考えねばならぬ対局者よりも有利なはず。

しかし、羽生名人は、あの渡辺竜王も含めた検討陣でも発見できない新構想をひねり出す。

やはり、実戦の中にいる対局者の集中力はとてつもないのであろう。
第五局の郷田九段の33手目▲2三歩もそういう妙手だったと思う。
渡辺竜王も自分の竜王戦ではそういうすごい手を何回も指している。

羽生名人が突出しているのは、そういう極限的な集中力をタイトル戦に限らず、ほとんどの対局でやってしまうことだ。
将棋祭りなどのイベントでのエキジビション対局や研究会での将棋も思いきり真剣に指すという。
だからものすごい生涯勝率(7割2分を超えている)であり、常に何冠も保持していて、永世位資格を6つも獲得できるのだろう。

渡辺竜王にも、竜王戦だけでなく、ぜひこういう集中力で全対局をがんばってほしいものだ。
そして、早く羽生-渡辺の名人戦を観たい。

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「本ゆ」増刊、恐怖スペシャル投稿ネタ募集!

いつもブログを読んで下さり、ありがとうございます。

7月に出る「本当にあったゆかいな話」恐怖スペシャル増刊に読者投稿ネタで4コママンガを描くことになりました。
そこで、心霊・ミステリー系の投稿ネタを皆様に募集いたします。

ご自身やご家族、お知り合いなどに起こった恐怖な話を教えて下さい。
投稿の期限は7月3日までです。

投稿方法は、私宛てにメールで直接下さってもかまいませんし、もちろん「本ゆ」の投稿用紙(編集部にFAXか郵送)を使っていただいてもかまいません。

私宛てのメールアドレスはgokiki1357uaa@mail.goo.ne.jpです。
遠慮なくどんどんネタを送って下さい。

メールは、ファン交流掲示板の私の書き込みの、青字の名前(須賀原洋行)の部分をクリックしていただく方法(メール送信フォームが表れます)でも送れます。

投稿ネタはどんな内容でもOKです。
いくら何でもこんなことあるはずが、とか、これはたいしたことないよね、とか考えず、気楽に何本でも送っていただいてかまいません。(マンガにする際、私の方でアレンジを加える場合もありますのであらかじめご了承下さい。)

マンガの中で「○○さんの場合」というふうに投稿者名を書きますので、投稿用のニックネームをメールに書いておいて下さい。

投稿者の年齢は問いません。
小学生や中学生の皆さんの、学校や夏休みに起こった恐怖な話とかも大歓迎です。

また、もし、「自分をこんな顔で登場させてほしい」というご希望がありましたら、お顔の特徴を書いて下さるか、ご自身で描いた似顔絵や写真を添付して下さってもかまいません。

投稿ネタが採用された場合、4コマもしくは8コママンガ1本につき1000円の謝礼が出ます。
投稿の際、送付先のご住所とお名前を記載して下さい。個人情報は謝礼送付の用途以外には使いません。

謝礼の送付には、経理の都合上、掲載から3ヵ月ほどかかるようです。(ちなみに私の原稿料が振り込まれるまでにもそれくらい期間があきます。)

ではでは、皆様の投稿ネタを楽しみにお待ちしております(^=^)。

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名人戦第6局 羽生名人は最終盤でもソフトを超えていた

今、すごい将棋を見てしまった。
名人戦第6局、羽生名人対郷田九段戦。

最終盤でソフトが全然読めていなかった長手数の詰みを羽生名人は読み切っていた。
トップ棋士が集まる控え室の検討でも詰みは読めておらず、「攻めておいて、いったん手を戻すんでしょう」とか言っていた。

ソフトは終盤、詰みがある局面ではプロ棋士以上の能力であると、多くのプロも認めているが、あまりに複雑な詰みは読み切れないようだ。

だが、羽生は、残り時間10分を切り、これに負けたら名人失冠というギリギリの状況で見事に読み切っていた。

最終盤でもソフトより強いとは……。
ネット中継を観ていて、こっちまで手がプルプルしてしまった。

羽生名人のプルプルは17日午前0時40分から55分までの名人戦ダイジェストで観られます。
NHKBS-2です。

ちなみに、東京の将棋会館で大盤解説をしていた渡辺竜王も読み切っていたとのこと。
やっぱ、この2人はすげーわ。

追記。
すみません。
当初「BS-1」と紹介してましたが、「BS-2」です。

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大井川鐵道&奥大井旅行記のネームが通った

Photo

モーニング増刊「大井川鐵道&奥大井」旅行記マンガのネームが無事通った。
細かい修正点はあるが、一発で24ページほぼ全部オッケーが出た。
うれしい。

あとは作画に入るだけ。
ページ数が多いし(基本が4コママンガ家の私にとってこれまでで最長)、取材旅行で撮ってきた風景写真を駆使して画面構成しているので、完成までに10日以上かかりそう。

Photoshopのフィルター機能でどれくらい輪郭線を補助できるか。
いかにも写真を加工しましたという絵は嫌いなので、ほぼ全部手描きでいくことになると思う。

一緒に取材旅行に行った担当K氏は、今月も別のマンガ家さんと森林鉄道の取材旅行に行ってきたもよう。
すごいバイタリティーと体力だ。

「鉄」増刊のクオリティーもそれに比例してかなり高いものになるのではないか。
取材に手間と時間を惜しみなくかけており、しかも中身が濃い。
なにしろ行きたいところに行って、観たいものを観て、やりたいことをやってくるんだから。
(ただし、贅沢はしないので、さほど金はかかっていない。)

私自身、これまで旅行記マンガは『よしえサン』シリーズで多分10本以上描いているが、「マンガを読んで同じ場所をトレースしてきました」という読者さんがけっこう出てくるのでうれしい。
今後は「リピーターを生む旅行記マンガ家」と呼ばれるようになりたいものだ(笑)。

取材旅行に行くと1週間くらいの行程なら、中身が濃くて複雑なほどしっかり記憶に残る。
撮ってきた写真を順番に見ていくと、体験したことが細部までクッキリと浮かび上がってくる。
頭の中でビデオ映像が再生される感じ。

マンガ用の資料写真を撮る際のコツもわかってきた。
例えば、時々進行方向のうしろを振り返って撮るといい。
こうすると、マンガにする時、キャラを前から描けるのだ。

以前はひたすら進む方向に向かって、見えてきたものを撮るばかりで、例えばお寺の長い階段を上るシーンではキャラの背中を描く構図の写真しか撮れておらず、マンガにする時に苦労した。
ちょっと止まって、階段の下方を振り返って1枚撮っとけば絵が楽だったのに、と後悔したものだ。
そういや、「川口浩探検隊」も必ず先にカメラマンが行ってたじゃないか。

今はデジカメがあるので、メモリさえしっかり用意していけば、膨大な数の写真が撮れるのもうれしい。
現像・プリント代がかからないので、採算を気にせず撮りまくれる。
だから、ネタになりそうな物や建造物等を見つけたら、様々な角度や距離から何枚も撮っておく。

前回、15年前に家族で大井川鉄道に乗った時は普通のアナログなカメラだったので、プリント代だけで3万円もかかかっていた。
この時はアフタヌーンでオールカラー8ページの『よしえサン』(4巻所載)を描いたのだが、当時はハードディスクの容量も少なかったから、使う写真を全部スキャナーで取り込むだけでも大変だった。

今回はベストなアングルの写真をきっちりセレクトして背景にしているので、あとはそれをうまく絵にするだけだ。
それが一番私にとっては難しいのだが……(苦笑)。

とにかくモーニングの「鉄」増刊、超オススメである。
8月頭くらいの刊行予定だそうだ。

売れたら、シーズン増刊(年4回刊行)くらいにしてほしいところだ。
「秘境駅」に行くのが楽しみになってきたからだ。
大井川鐵道の某駅はすごかったですよ〜。
(上の写真は接岨峡温泉駅。ここは秘境駅というほどではない。その次の駅が……)

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『個人のモンダイ』再掲3


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モーニング増刊の仕事(ネーム)にかかりっきりでだいぶ更新が滞ってしまいました。

今月は久しぶりにカレンダーのスケジュールがきちきちに詰まってます。
気力はともかく、身体がもつだろうか……。

近年、体が悲鳴を上げているのに気づかずどんどんやっちゃって、後でズドーンとダメージが来るパターンが多いので気をつけないと。

この数ヵ月ヒマだったのは神様が休暇を与えてくれたのかも、とか都合よく考えておこう。

『個人のモンダイ』今回は3本アップします。

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