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「京加茂」の絶品料理と絶品熟成酒を味わってきた

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昨夜は「秋鹿の純米燗酒と初夏の味を楽しむ会」というのに行ってきた。

場所は名古屋市中川区上高畑にある「京加茂」という京料理のお店。
ここは以前、編集者との打ち合わせなどでよく使わせていただいたところである。
(うかつにもデジカメ持ってくの忘れたので、写真は「京加茂」さんHPからの引用です。)

ただ、当時は和食のお店にしては日本酒にこだわりがなく、ワインが主だったので、酸味の強いお酒が苦手な私は、なんとなく足が遠のいてしまっていた。

しかし、今回ご亭主から上記の会の案内をいただき、「霙(みぞれ)もよう呑み比べ」というにごり酒ばかりをそろえ、しかもそれを店で温度管理して熟成させたものもあると聞き、うって変わって日本酒への熱の入れように驚いた。

そもそも、にごり酒、それも生で、封を開けようとするとフタがすぽーーんと飛ぶような発砲にごりを自家熟成させるような人は稀である。

今回は15by、つまり、平成15年に仕込まれた酒も出るという。
6年ものである。

生でにごりなので生きた菌類がまだ酒に一杯残っていて、もし、造りの悪い酒にこんな仕打ちをしたら、思いっきりヒネ香が漂う酒になるか、下手すれば毒に近い酢になってしまうだろう。

さて、まず、熟成前の、今年のお酒から先にいただいたが、これもうまい。
酸度が2.1もあり、普段私がこのブログで紹介している酒はだいたい1.5〜1.7くらいなので、最初は「ワインっぽい酸っぱめの酒かな」と思っていたが、飲んでみると酸は感じるものの酸っぱさではない。
キレの良さに思いっきり貢献している感じの酸。

旨味もしっかりあって、次に出た山廃バージョンなどは本当に乳酸の香りが鼻に戻ってくる感じ。
さらにそれらを燗して飲ませていただける。
燗すると甘味が増してきて、さらに飲みやすくなる。

今回は同じ「秋鹿」ばかりを垂直に飲み比べるという不思議な試みの会である。
2009年、2007年、2004年出荷のにごり生酒を、京加茂のご亭主が自家熟成させて味の違いを楽しむという、地酒好きならワクワクものの企画だ。

出てくるお酒の色が徐々に茶色がかってきて、15byに加えて最後は14by(2003年暮れの仕込み)も出てきた。

熟成版のうまさはハンパない。
けっしてヒネていない熟成香が漂っており、甘味が明らかに増している。
酸味も減ってまろやかに。
私の好みにピッタリはまっている。
一晩中飲み続けても飲み飽きそうにないうまさ。

そして、これらのお酒とともに出される料理がすごい。
特に野菜にはこだわっておられるようで、ここの野菜料理は絶品だ。
素材の味がしっかり生きていてて、しかもカツオ等の出汁の味も十分に主張している。
澄み切った味なのに、それぞれの素材の旨味が全部色濃く出ている。

私の隣の席には、最近「京加茂」に野菜を卸し始めたという「あぐりーも」の森さんが座っておられて、当日は鱧と蓴菜と玉葱が入った鍋の玉葱が森さん作のものだった。
これがまた、甘味と歯ごたえが良くてなんともおいしかった。
今後の「京加茂」の野菜料理がさらにパワーアップするに違いない。

当日の料理には沖縄の本マグロの大トロとか、でっかい岩ガキなど最高の魚介類も出たし(このお店は魚介類も外れがないです)、最後はラッキョウを入れた炊き込みご飯という不思議な味も堪能できて、大満足の一夜だった。

日本酒はいろいろとそろえておられるそうで、しかもそれらの自家熟成酒も味わえるということで、今後、仕事の打ち合わせで真っ先に行かせていただきたいお店になりました。
うちのニョーボはランチに行きたいと申しております。

(今度打ち合わせする時は「京加茂」にしましょう。>チューニチ新聞文化部の皆様(笑))

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