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2009年5月

「京加茂」の絶品料理と絶品熟成酒を味わってきた

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昨夜は「秋鹿の純米燗酒と初夏の味を楽しむ会」というのに行ってきた。

場所は名古屋市中川区上高畑にある「京加茂」という京料理のお店。
ここは以前、編集者との打ち合わせなどでよく使わせていただいたところである。
(うかつにもデジカメ持ってくの忘れたので、写真は「京加茂」さんHPからの引用です。)

ただ、当時は和食のお店にしては日本酒にこだわりがなく、ワインが主だったので、酸味の強いお酒が苦手な私は、なんとなく足が遠のいてしまっていた。

しかし、今回ご亭主から上記の会の案内をいただき、「霙(みぞれ)もよう呑み比べ」というにごり酒ばかりをそろえ、しかもそれを店で温度管理して熟成させたものもあると聞き、うって変わって日本酒への熱の入れように驚いた。

そもそも、にごり酒、それも生で、封を開けようとするとフタがすぽーーんと飛ぶような発砲にごりを自家熟成させるような人は稀である。

今回は15by、つまり、平成15年に仕込まれた酒も出るという。
6年ものである。

生でにごりなので生きた菌類がまだ酒に一杯残っていて、もし、造りの悪い酒にこんな仕打ちをしたら、思いっきりヒネ香が漂う酒になるか、下手すれば毒に近い酢になってしまうだろう。

さて、まず、熟成前の、今年のお酒から先にいただいたが、これもうまい。
酸度が2.1もあり、普段私がこのブログで紹介している酒はだいたい1.5〜1.7くらいなので、最初は「ワインっぽい酸っぱめの酒かな」と思っていたが、飲んでみると酸は感じるものの酸っぱさではない。
キレの良さに思いっきり貢献している感じの酸。

旨味もしっかりあって、次に出た山廃バージョンなどは本当に乳酸の香りが鼻に戻ってくる感じ。
さらにそれらを燗して飲ませていただける。
燗すると甘味が増してきて、さらに飲みやすくなる。

今回は同じ「秋鹿」ばかりを垂直に飲み比べるという不思議な試みの会である。
2009年、2007年、2004年出荷のにごり生酒を、京加茂のご亭主が自家熟成させて味の違いを楽しむという、地酒好きならワクワクものの企画だ。

出てくるお酒の色が徐々に茶色がかってきて、15byに加えて最後は14by(2003年暮れの仕込み)も出てきた。

熟成版のうまさはハンパない。
けっしてヒネていない熟成香が漂っており、甘味が明らかに増している。
酸味も減ってまろやかに。
私の好みにピッタリはまっている。
一晩中飲み続けても飲み飽きそうにないうまさ。

そして、これらのお酒とともに出される料理がすごい。
特に野菜にはこだわっておられるようで、ここの野菜料理は絶品だ。
素材の味がしっかり生きていてて、しかもカツオ等の出汁の味も十分に主張している。
澄み切った味なのに、それぞれの素材の旨味が全部色濃く出ている。

私の隣の席には、最近「京加茂」に野菜を卸し始めたという「あぐりーも」の森さんが座っておられて、当日は鱧と蓴菜と玉葱が入った鍋の玉葱が森さん作のものだった。
これがまた、甘味と歯ごたえが良くてなんともおいしかった。
今後の「京加茂」の野菜料理がさらにパワーアップするに違いない。

当日の料理には沖縄の本マグロの大トロとか、でっかい岩ガキなど最高の魚介類も出たし(このお店は魚介類も外れがないです)、最後はラッキョウを入れた炊き込みご飯という不思議な味も堪能できて、大満足の一夜だった。

日本酒はいろいろとそろえておられるそうで、しかもそれらの自家熟成酒も味わえるということで、今後、仕事の打ち合わせで真っ先に行かせていただきたいお店になりました。
うちのニョーボはランチに行きたいと申しております。

(今度打ち合わせする時は「京加茂」にしましょう。>チューニチ新聞文化部の皆様(笑))

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対ハム将棋必勝裏ワザ

このブログでは将棋ネタもけっこう書いているが、私自身はかなり弱い。

どれくらいの棋力かというと、あまり判断基準にならないのかもしれないが、「ハム将棋」なら平手で1年前は勝率1割を切っていた。
今は戦い方に慣れてきて8割は勝つが、それは相手がハムくんだから。

ハムくんは、あの渡辺竜王も苦戦したボナンザ様のように残忍ではなく、ちょっと行き詰まるとすごいムダ手を指してくれるやさしいやつだ。

最近、この手順ならほぼ100%勝てそうという裏ワザも発見した。

一応、ネットで検索したが、同じやり方は出てこないみたいなので、勝手に私が発見した裏ワザということにして、偉そうに紹介してみよう。

戦型は一応、四間飛車もどき。
必ずこっちが先手で、初手から、▲7六歩、△3二金(ハムくんの初手はいつもこれ)、▲6八飛、△3四歩、▲1六歩、 △8八角成(万年初心者の私はここでいつもドキッとする)、▲同銀、△2二銀、▲7七銀、△3三銀、▲4八玉、△6二銀、

で、次に、▲3八銀と上がるのだ。

そうするとハムくんは絶対必ず間違いなく△2八角打としてくる。

そこで、香を取られないように、▲1七香と上がる。

ハムくんは△1九角成と馬を作る。

そこで、ちょっと怖いが▲3九玉としておく。

そうすると、ハム馬はこの後しばらく1八か1九に釘づけになる。
ほぼ、角落ち状態。

で、△5二金、▲5八金左、△8四歩、▲8八飛、△8五歩と進み、

ここでこっちは思い切って▲8六歩とぶつける。

そうすると、△同歩、▲同銀、△4一玉、▲8五銀、△1八馬(何やってるんだ、ハムくん)、▲8四銀、△7四歩、▲8三銀成、△同飛、▲同飛成り、△2八銀打(王手された!こえ〜〜っ)、▲4八玉、△2九銀成、▲同銀、△同馬ときて、

ここで当然、▲8一飛成で王手。

△5一銀打、▲6一飛打、△2八馬(だから何やってんの、ハム馬)、▲9五角打、△1七馬、▲6二角成、△4二銀左(こっちから見て右の銀を引く)、▲5二馬、△同玉、▲6二金打、△4一玉、▲5一金、△3一玉、▲4一金、△2二玉、▲4二金、△同金、▲3一飛成、△1二玉、▲2一竜まで。

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しかし、これを書くために何度か検証していたら、ハムくんが違う手順を指すようになってきた。
途中で無意味にこっちの飛車の前に歩を打ったり(タダ取りすればいい)、上記の手順を若干入れ替えたりしてくる。
そうすると、私なんかはちょっと焦ってしまう。

私の「必殺ワザ」は、ちゃんとした将棋なら、きっと穴だらけのはずで、ハム将棋のクセを利用しただけのシロモノなのだろう。
こんなのばっかり見つけようとしてると、どんどん将棋が弱くなっていくのかな。

(追記)
あの羽生名人の娘さんもハム将棋をやってるんだそうな。
スポーツ報知の文化社会部長さんのブログ「後悔日誌.jp」に載ってた。

お父さんはハム将棋と指したことあるんだろうか。

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入手可能な激ウマの日本酒

新連載を取るまで酒は買わない宣言(でも、たまにスーパーで缶ビールとか買ってるけど)をしたので、買いたい酒、これまでだったら絶対買ってる酒がどんどん出てきては完売になっていく。

せっかく、これまでいろいろアンテナを張り続けて入手ルートを開拓したのに、買えないというのが情けない。

で、今年は飲んでいないが、過去の経験から言って絶対にうまいと確信できる酒を、ブログを読んで下さっている方々にご紹介。

入手方法はそこの常連客さんに申し訳ないので具体的には書けないが、その気になってネットで調べれば、多分すぐに見つかるだろう。

現時点でまだ買えるもの中心だが、すでに完売のものもある。
今、完売扱いでも、蔵がまだ(熟成のためなどに)在庫を残していて、突然再入荷することもある。
生酒だと、それの火入れバージョンが秋口に出たりする場合も。

「山間 」ori-ori rock 爆音(青) 活性にごり酒 1800ml 3255円
「三重錦」斗瓶取り 純米吟醸生 備前雄町 滓がらみ1800ml 3800円
「貴」純米吟醸 渡船 1800ml 3500円
「一白水成」純米吟醸(美山錦)生原酒 1800ml 2940円
「白岳仙」純米吟醸 山田錦 四十 あらばしり生 1800ml 4095円
「萩乃露」純米吟醸 里山 生 こしひかり棚田米 1800ml 2940円

まだまだあるけど、とりあえずこんな感じ。
中でも「山間」は飲みたくて仕方がない。
これはおそらく激ウマ中の激ウマ。
現時点で注文可能。

さて、新連載に向けたマンガだが、現在練り直し中。
持ち込み先も再検討中。

また、その作品とは別に、『ゴキちゃん』をもう一度描きたいという願望も強い。
まだまだアイデアは出てくる。
このマンガは描いていてとても楽しい。
どのキャラにも入れ込んでしまう。
話の筋さえ作れば、勝手にキャラが動いてくれる。
自分で描くゴキがかわいくて仕方がない。

どこか拾ってくれないだろうか……。
いや、とにかくサンプルを1本描いて、自分から持ち込み営業しなきゃダメか。

なにしろ、やれることを全部、必死にやります。

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『個人のモンダイ』再掲2

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『個人のモンダイ』ネット掲載2回目です。
大井川鐵道(←モーニングの担当さんによれば、この字でないとダメらしい)旅行でだいぶ間が開いたので、今回は4ページ分一気に載せます。

「まんがくらぶ」掲載時は印刷所に色指定する2色カラーで、ここに載せているのはその線画原稿です。
パソコン上でトーンを貼ったりもできるんですが、手間がかかって面倒くさくなって、アップ自体をしなくなってしまいそうなので、線画のままでの掲載、お許しを。

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モーニング増刊の取材旅行で奥大井の奥に行ってきた

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12日から昨日まで4日間、静岡県の大井川鉄道と、さらにその終点から奥の奥まで行ってきた。

週刊モーニングの「鉄」増刊のための取材旅行だ。
当初は旅程だけもらって、自分1人で行かされるのかと覚悟していたが、ちゃんと担当編集者がついてきてくれた。

担当氏は私と同い年で、私がモーニングで連載を持っていた時の担当だった人。
鉄道と山登りのベテランで、体力も十二分にある。

もう、どんだけ引きずり回されたか。
こっちは運動不足が著しいのでホントに死ぬ思いでついていった感じ。
ぶっちゃけて言えば、この担当氏が行きたかった旅程そのものなのだ。

でも、実に爽快な体験でもあった。
男の本能が呼び覚まされた。

いや、男も女も関係ないか。
うちのニョーボなんか、ものすごくうらやましがってるし。

そのダイナミック極まりない旅行は、夏に発売予定のモーニング増刊で詳しくマンガに描くとして、当ブログではざっと行程だけご紹介。

1日目。
名古屋から新幹線こだまに乗って浜松へ。
浜松から在来線で金谷へ。
JR金谷駅の隣にある大井川鉄道金谷駅で担当氏と合流。
金谷駅からSLに乗って千頭駅へ。
千頭駅からミニ列車に乗り換えて尾盛駅で降りる(ここで車掌さんと一悶着ある)。
尾盛駅から下に戻って、接岨峡温泉駅を通過して、次の奥大井湖上駅で降り、そこから歩いて(歩いてですよ、山奥なのに)接岨峡温泉へ。
民宿で1泊目。

2日目。
接岨峡温泉駅から上に向かい、2つ先の閑蔵駅で降りて、またまた歩いて接岨峡温泉駅に戻る。
そこからまたミニ列車で大井川鉄道終点の井川駅へ。
井川から渡し舟で井川本村へ。
「絵本の里」で食事(アクシデントあり)。
そこから予約していたタクシーで奥大井のさらに奥に向かう。
途中、白樺荘というところで降ろしてもらい、つげ義春の世界みたいなレトロな無料温泉に入り、またタクシーに乗って上へ上へと向かい、畑薙ダムへ。
もう、ケータイはとっくに圏外。
そこから東海フォレストのバスに乗り換えて、一般の車などは通れない私有地の私道をどんどん上の方に、山奥の奥の方に、入っていく。
いやはや、ものすごい悪路。
車に乗ってるだけで疲労困憊しながら、2泊目の宿、「二軒小屋」に到着。
南アルプス登山の起点になる宿泊所だ。

3日目。
朝から転付(てんづく)峠に登る。
二軒小屋からさらに600メートル上の標高2020メートルまで、担当氏について必死に登る。
登りきったところの展望はこれまでの人生で最高。
こんなにスカッとしたことはない。
二軒小屋も最初はボロボロの山小屋なのかと思っていたが、案に相違してぜいたくな別荘って感じ。
こんな超山奥なのに、シェフが一流でメシがやたらうまくて、従業員さん達は皆すごく心のこもった対応をしてくれる。
山が好きな人達って、どうしてこんなにいい人が多いんだろう。

4日目。
朝、体が全く動かないくらいの筋肉痛。
それでもなんとかそこらを散歩して体をほぐす。
バスで帰路につく。
おとといの運転手さんが特別に白樺荘まで行ってくれて(当初は畑薙ダムから白樺荘まで歩く予定だった。山のワインディングロードを5キロも)助かる。
そこから井川の自主運行バスというのに乗って井川駅まで戻る。
井川から一気に金谷に向かって帰る予定だったが、時間があったので、途中で接岨峡温泉駅すぐそばの森林露天風呂に入る。
あとは一路名古屋に向かい、昨晩ようやく家に帰り着きました。

今日はもう、ちょっと歩くのも困難なくらいの全身筋肉痛。
でも、体調はいい。
というか、いつもは慢性的に不調な内臓が快調。

それと、視力が明らかに良くなってる。
旅行中は視界のほとんどを遠景が占めてたもんなあ。
しかも緑ばっかり。

とまあ、流れはこんな感じだが、マンガになるようなネタが起こりまくりだったので、ぜひ、夏のモーニング増刊をお楽しみに。

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佐藤秀峰さんからメールが来た

このブログでちょっと前に書いた「佐藤秀峰さんは全てを公開すべき」に対して、私の一方的な意見発信にも関わらず、なんとご本人から丁寧なメールをいただき、その後、佐藤さんのネット配信システムに関する詳しい説明文もいただいた。
ブログ上でも感謝の意を表しておきたい。

さて、その内容は明かせないが、私の個人的な、乏しいマンガ家経験からの感触だけで言えば、このままの形でスタートしたら、おそらく誰も得をしない結果を招くような気がして仕方ない。

説明を受けた現在も、マンガのネット配信に関しての私の見方、考え方は前回書いたことと変わっていない。

私個人は今後の進展を見守るしかない。
良い方向、多くの人が幸せになる方向に行ってほしいと願っています。

以下、繰り言だが、面白いマンガについての私の考え方を。

畢竟、マンガ家と編集者が信頼関係を築くことが一も二もなく大切なんだと思う。

面白いマンガ、売れるマンガのほとんど全ては、編集者とマンガ家が同じ方向を向き、同じ夢を見た時に生まれてきたと私は考える。

不特定多数が判定する最大公約数は、無難で個性も味もないつまらないものになってしまうが、マンガへの情熱に燃える2人の最大公約数は面白さのツボを突く。
世の関心を引くような魅力を醸し出す。

こういう魅力は自分1人では見えないものなのだ。

現在、全くの個人がブログやサイトなどの形で意見や作品を発信し、ネットでお金を得るシステムは、黎明期から発展期の入り口に来ており、プロアマ問わず関心が高い領域なのだと思う。

だが、それとマンガ雑誌の未来を繋ぎ合わせて語るのはまだ早計のような気がしてならない。

本当に紙媒体のマンガ雑誌に未来はないのだろうか。
本当にネットが今後のマンガ配信にベターなのだろうか。

できれば、マンガ雑誌の編集者とマンガ家が信頼関係を保ちながら、紙のマンガ雑誌とネット配信システムの両方の未来を協力して考え、開発していければいいのにと思う。

それは多分、可能だろう。

対立的な構図だけは見たくない。

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第80期棋聖戦挑戦者決定戦に20歳の四段が進出!

5月7日午後1時現在、産経新聞社棋聖戦中継サイトにて、羽生棋聖への挑戦者を決める第80期棋聖戦挑戦者決定戦が行われている。

挑戦者の稲葉四段はなんと去年の4月にプロ棋士になったばかりの20歳。
平成生まれのタイトル戦挑戦者は初とのこと。

近年のタイトル戦というと、ほとんど羽生世代と、あとそのちょっと下の世代の数名と、それから渡辺竜王が席巻していたが、久々に、羽生世代が若い頃や渡辺竜王のように、若手棋士が予選からごぼう抜きで勝ち上がってくるというワクワクな展開になっている。

今日は羽生−郷田の名人戦第3局の1日目も行われているのだが、2ちゃん将棋板も棋聖戦スレの方が盛況の様子。

現時点では稲葉四段の序盤作戦が功を奏して、若干リードを取った感じのようだ。

しかし、名人戦、朝9時からテレビ中継がある予定だったのに、なんで国会中継でつぶすかね。
しかも質問者は自民党だし。
そんなの誰も見ないっての。

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『個人のモンダイ』再掲1

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『真剣10代さぼり場』の再掲がけっこう好評なので、もう1つ別の作品をブログで再掲載することにしました。

竹書房の「まんがくらぶ」に2002年6月から1年間ほど連載された『個人のモンダイ』です。

ページ数的に単行本1冊分にはほど遠いので、このままだと「まんがくらぶ」を読んでいなかった方々の目に触れる機会はないと思います。
ブログ内ミニコミックスとして楽しんでいただければ幸いです。

最初は第1回目から3ページ分をアップします。
生原稿からスキャンし、さらに少し加工が必要なので、今後は週に1〜2回、1ページずつくらいになると思います。
ネタ的に古いと思われるものはアップしません。

さて、息抜きを終えて、営業用の原稿描きに戻ります(・ω・)

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忌野清志郎 追記

ひとつ書き忘れていた。

清志郎がこの世を去った今、彼の曲の中で一番心にしみるのはこの曲だ。
『毎日がブランニューデイ』
自分のニョーボに対する思いとぴったりシンクロするからだ。

こういうことは、とてもじゃないが直接本人に言葉では言えない。

でも、自分が仕事にしている作品の形なら表現できる。

清志郎は日常生活ではおそろしくシャイだったと聞く。
きっと、直接、奥様にこういう思いをそのまま言葉にしたことはなかったのではないか。

私もない。
男はそんなものだ。
口下手だから、別の方法で表現するのだ。

私は『よしえサン』シリーズでそれをしてきた……つもりだ。

もしかしたら本人にはさっぱり伝わってないのかもしれないが、365%完全に幸福なのだ。

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忌野清志郎

忌野清志郎が死んでしまった。

最初に聴いた彼の曲は、京都で学生生活をしていた頃、大学の近くの「餃子の王将」衣笠店で流れていた『トランジスタラジオ』だった。

これでいきなりRCサクセションのファンになって、すんごい貧乏だったけど、LPレコードの『PLEASE』と『BLUE』はレンタルじゃなく新品を買った。

仕事で不安になった時はよく『すべてはALRIGHT』を聴いた。
これを聴くと、本当に全てが何とかなると思えた。

マンガ家になって間もない頃、講談社の忘年会の二次会で同じモーニング連載マンガ家の若林健次さんから「今、清志郎と一緒に住んでいる」と聞いて驚いた。
「清志郎が自分の部屋に転がり込んできて、勝手に住んでる」と。
本当の話で、自身マンガ家になりたかった清志郎はマンガ家にも友達がいたようだ。
「清志郎は無口で大人しくてすごく気のいい人」と言っていた。
ベタ塗りとかも手伝ってくれたそうだ。

私は心底嫉妬した。
自分も東京に住んでいたら、勇気を振り絞って紹介してもらい、「次はぼくの部屋に1ヵ月ほど」と頼んでいたかもしれない。

私なら、毎週描く7本の4コマのうち1本分のスペースを清志郎にあげて、好きなように描いていいですよ、と言ったかもしれない。
あまりの傑作に、連載を乗っ取られてしまってたかもしれないが。

それから20年以上経過して、清志郎が喉頭ガンになって闘病生活に入ったというニュースを見た時、これは復活しても元の声には戻らないだろうと思った。
ガンじゃなくても、このくらいの歳で本来の声が出なくなったボーカルはけっこういるから。

やはり大ファンのチューリップの姫野達也とか、クリスタルキングの田中昌之とか、世良公則とか、学生時代によく聴いていたボーカルが、加齢や事故などで往年の声が出なくなっている。

さだまさしも大好きでさんざん聴いてきたが、最近、NHKで聴いた『道化師のソネット』は高音部がやけに苦しそうだった。
昔はこれ以上ないってくらいきれいに伸びていたのに。
今、『檸檬』を歌ったらかなりきついのではないか。

清志郎が喉頭ガンを治して復活した1発目のライブ、NHKの「SONGS」で感動した。
声が元通り出てた。声を自由自在に操る歌唱力もそのまま。

1箇所だけ、『スローバラード』の「かけらもーなーいーさー♪」の「な」のとこだけが出なくなっていたが、抗ガン剤で一度全身の細胞を痛めつけたというのに、よくたった1音だけで済んだと思った。

その後すぐに行われた武道館の復活ライブのDVDも買った。
すごく感動した。これだけは無理してでも観に行けばよかったと思った。

今度は腸骨にガンが発生ということだったが、喉じゃないので放射線治療で治せると思っていた。
きっと重粒子線治療とかが有効で、早々に治して戻ってくると確信していた。
実際、1回目の闘病後のように、他のアーティストのライブに飛び入り参加して歌ったと聞き、いつ本格復帰かと心待ちにしていた。

あー、悲しすぎてこれ以上書けん……。
心からご冥福をお祈りします。

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佐藤秀峰さんは全てを公開すべき

目に見える形で具体化するまで、当面はじっと見守ろうと思っていたのだが、やはり疑問点は早めに表明しておこう。
マンガ家の佐藤秀峰さんが試みようとしているネット配信システムに関してである。

講談社にはすでにネット配信マンガサイトMiChao!があるが、それと佐藤さんが起こそうとしているシステムはどう違うのか?

編集家の竹熊健太郎さんも同じようにネットを最大限に利用した発表形態を模索しておられて、ネット上の噂では佐藤さんのアドバイザーでもあるみたいだが、MiChao!に関しては詳しく触れておられない。

今のところ、佐藤さんの日記を読んでも、MiChao!とは全然違う画期的な形式を用意しておられるのかどうかわからない。

他のマンガ家の参加を望んでおられるようで、直に問い合わせれば個別に詳しい内容を教えていただけるみたいだが、今、サイト上で詳細を発表しないのは、他の人や企業に真似されたら困るようなすごいシステムを企画しておられるからだろうか。

仮に、もし、MiChao!とほとんど同じ形式でのネット雑誌になるのなら、個人ではとても運営しきれないだろうと思う。
私は「ピテカントロプス」で『けつちゃん』を連載していたが、マンガ作品を入稿してからネット掲載されるまでにはかなり専門的な工程があるようだ。
専門スタッフを雇うか、その手の配信会社と契約するかして、かなりの初期投資をしなければ商業として成立するサイトにはなり得ないのではないか。

サイトは開放するので自由に他のマンガ家にも参加してほしい、と佐藤さんはおっしゃっているが、参加するマンガ家にも費用の分担はあるのか?あるとすればいくらくらいなのか?実費でもかなりかかると思う。参加人数にもよるけど。

私は、こんなの無理だろ?的視点でイチャモンをつけたいのではない。
メリットのほうが大きいなら、私も参加したいところである。

私の場合で言えば、過去に単行本にならなかった『小学校の先生よっ』(BE LOVEで連載された)を有料で再掲して、できれば単行本にもしたいので、発表の場として使わせてもらえるなら参加してみたい。

しかし、MiChao!での経験や、自分の作品のオンラインコミックの売り上げから考えて、今、マンガのネット配信で食べていくのは、多くのマンガ家にとってかなり困難なことだろうと思う。

MiChao!にも小林まことさんやかわぐちかいじさんといった大御所さんが描いておられるが、ちっとも話題にならない。
ちょっと前はあの福島正美さんが『聖マッスル』の新作を描いておられたが、これも全く話題に上らなかった。
ピテカントロプスの最後の方ではちばてつや巨匠の描き下ろし絵本マンガも載ったが、これも世間はスルー。

毎日更新されるダウンロードベスト10にはエッチマンガばかりが載っている。
エッチマンガの価値は認めるけども、大御所がトップ10にも入らないのは不思議すぎる。

おそらく、ネット配信のマンガを読む層は、雑誌でマンガを読む層とは全く違うのだろう。
マンガオタクすらネット配信のマンガまでは読まないのではないか。

このような状況を佐藤さんは把握しておられるのだろうか。
把握した上で、それとは違う、成功が見込める画期的で周到なシステムの用意がすでにできているなら、マンガ界のためには、それをぜひ公開すべきではないだろうか。

そうすれば、そのシステムは多くの人々の批評の俎上にのる。
皆から検証される。
それで磨かれていくはずだ。

誰かが、それも大きな出版社がそのシステムをパクるかもしれない。
MiChao!が丸ごとそのシステムに乗り換えるかもしれない。

でも、それでもいいじゃないか。
それはマンガ界にとっても読者にとってもプラスのはず。
当然、多くのマンガ家にとってもプラスだ。

どうせ、今、秘密にしていても、スタートしてしまえば、優れていれば、手法に特許でも取らない限り、大出版社も同じシステムにしてくるだろう。

佐藤さんの日記を読む限り、儲けを独り占めしたいタイプではなく、むしろ、自分を犠牲にしてでもマンガ界のために改革の先鞭をつけたいタイプと見た。
ぜひ、隠さずにアイデアを公開すべきだと思う。

もし、見切り発車的なアイデアしかないのであれば、もう一度よく考えてみたほうがいいと思う。
佐藤さんの場合、現状ではかなり出版社、編集者の反感を買っており、中途半端な位置にいる新人や中堅マンガ家が佐藤さんのシステムに参加した場合、それだけでマイナスイメージがついて、下手すれば干される可能性もあるからだ。

佐藤さんのシステムで売れれば問題ないが、売れなければ、もう元に戻れないリスクを背負うかもしれない。
そこまで責任を負う覚悟を佐藤さんはお持ちなのだろうか。
そんなのは自己責任でしょ、と思っておられるなら、先にサイト上でご自身の企画を全て明らかにすべきではないだろうか。
問い合わせがあれば個別に説明します、ではなく、公開して批評の俎上にのりますという覚悟が必要ではないか。

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