マンガ連載もシェアリングの時代だ!
今、マンガ家の「連載貧乏」が話題になっている。
昔から言われてきたことではあるが、最近になって、マンガ家の佐藤秀峰さんや一色登希彦さんなどがご自身のサイトでアピールしていることで、ネット上ではかなり盛り上がっているようだ。
「連載貧乏」というのは、要するに原稿料だけでは作画アシスタントに支払う給料他の経費がまかなえず、赤字になってしまい、描けば描くほどお金が出ていくような状態のことだ。
単行本が出て、印税がたくさん入れば収支は黒字になるが、単行本は絶対出せるとは限らないし、出ても売れるとは限らない。
そこで、前述のマンガ家さん達は新しい発表システムを模索しておられるようだ。
それについては、私は今のところ何も論評するつもりはない。
ただ、「連載貧乏」に関して、私の考え方を書いておきたい。
例えば原稿料が1枚1万円として、週に20ページの連載だとする。
それだと月が4週として、80ページで原稿料による月収が80万円。
昨今の緻密な絵のストーリーマンガだと、背景のクオリティを維持していくために、アシスタントが3人は必要みたいだ。
私はそういうマンガを描かないのでよくわからないが、一色さんの試算ではそれで70〜80万円はかかってしまうようだ。
佐藤さんも同じようなことを言っておられる。
これだと原稿料ではまず生活できない。
でも、単行本が出て、仮に印税が1億円入る大ヒットになったら、単行本が1冊160ページと仮定すると、2ヵ月に1冊出せるので、年に6冊出せて、年収6億円である。
ここで私は考える。
じゃあ、月刊連載(週刊誌なら月イチ連載)でいいじゃないか。
そして、アシスタントは使わずに1人で描く。
週刊連載で3人必要だったなら、月刊連載なら4倍の時間が使えるから、1人で全部描けるはずだ。
現に、私の知人のマンガ家IさんはA誌でそうやって描いておられる。
たまに月刊連載も落とすけども。(い、いや、落とすじゃなくて(^=^;)、マイペースでクオリティの高い作品を描くことを優先してる、ですね。ごみんなさい)
それだと、原稿料が1万円でも、月20万円は丸ごと自分のものだ。
1人なら特に大きな仕事場はいらないし(生活している自宅で十分だろう)、アシさん達の食費や交通費もかからない。
それでも8ヵ月に1回1億円の印税が入る(上述の仮定では、ですが)。
年に1.5億円だ。
私だったらこれで十分である。(てゆうか、印税が2千万円くらいあれば文句ない)
売れれば原稿料も上がって、例えば1枚3万円までいけば、原稿料だけでも月に60万円になるし。
アシさんをたくさん、それも毎週何日も呼ぶと気疲れするし、経理作業も大変だろう。
アシさんの生活が自分の腕にかかってくるというプレッシャーもあるだろうし。
有名な週刊マンガ誌に連載を持ちたいマンガ家はたくさんいる。
別に、そこのマンガ家全員が無理して原稿料が全部飛ぶ体制を組んでまで週刊連載する必要ないじゃないか。
みんな月イチにして、他のマンガ家にも連載をシェアしてもらいたい。
私のような4コマやショートギャグマンガの場合なら、1回あたりのページ数が少ないので、1本だけの連載なら週刊連載じゃないと食っていけないが、絵がストーリーみたいに緻密じゃないので、アシさんは1人(月に20ページ以下なら1人分のアシ代もストーリーの人の4分の1以下)で十分。
あるいは初期投資さえすれば、パソコンでかなりの作業ができる。
売れてるマンガ家さんたちはご自身の肉体・精神を気づかい、適正な仕事量に減らし、その分、他のマンガ家に愛の手を!
え?結局、自分にも仕事を回せって言いたいだけだろって?
そ、その通りだ!
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