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2008年12月

「情熱大陸」羽生・渡辺特集を観て

う〜む、正直、イマイチの出来だったような……。
プロの将棋を知らず、今期の竜王戦はおろか将棋のタイトル戦というものを観たことがないと思われる野村監督をゲストに呼んでも意味がないのでは。7番勝負だからって、日本シリーズと比較させるのは無理があったと思う。案の定、ありきたりな共通点と感想しか出てこなかった。

よかったのは渡辺竜王が奇跡の大逆転をした第4局の描写。
第3局終了後、窮地に追い込まれた渡辺竜王の素顔を追っていたのもよかった。
だったら、羽生名人を破って初代永世竜王を獲得したのだから、全編で渡辺竜王に焦点を当ててもよかったのでは。
「羽生永世7冠誕生」で番組構成をギリギリまでやってたのだろうか。渡辺竜王に防衛されてしまい、第7局終了時点では編集の締め切り寸前で、急きょ、ツギハギで作り直したんじゃないか、と勘ぐってしまう。

あと、せっかく、敗者の羽生名人を後日インタビューに呼んだのだから、もっと切り込んだ質問をしてほしかった。
「渡辺さんが勝てた理由は何だと思いますか?」って、そんな質問しても「渡辺さんに聞いて下さい」と返ってくるのは当たり前(笑)。

「4局目は先手羽生名人からの相掛かりで、後手の渡辺さんには特に研究した対策はなかったと思いますが、なぜ5局目以降、明らかに渡辺さんが研究作戦を用意していると思われる矢倉を受け続けたのですか?相掛かり、もしくは後手では3局目で圧倒した一手損角替わりを志向しなかったのはどうしてですか?」とか聞いてほしかった。
将棋ファンじゃないとわからないかもしれないが、説明を入れれば済むこと。
「打ち歩詰め」にあれだけ時間を割いたのだから、できない話ではないだろう。

渡辺家の取材部分はファンとしてうれしかった。動く奥様と柊くんも見れたし。
家での渡辺竜王はやたら照れて、無理にクールを装っているように見えた。
あんだけ子供がなついているんだから、普段はもっとベタ甘な父のはず(笑)。あれはあれで渡辺竜王の素顔かな、とも思えたので面白かったが。

「情熱大陸」は大好きな番組なので、次の将棋関係の回に期待します。

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「房島屋」65%純米おりがらみ生酒

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年内の仕事は全部入稿して、とりあえず冬休み。
でも、年明けに持ち込み営業しようと思うので、まともに休んではいられない。
大晦日に紅白を観て、三男のアユちんになぞなぞ356問出しながら一緒に寝て、元旦に、録画しといた格闘技でも観て、あとは新作のアイデアをひねり出さないと。
今日はずっと構想を練っていた。

そろそろ、渡辺竜王と羽生名人の、あの世紀の決戦を扱った「情熱大陸」の放送が始まるので、それ観ながら一杯やるかな。
ツマミは昼に作ったばかりのスルメイカの塩辛(というか醤油漬け)。
酒は「房島屋65%純米おりがらみ生酒(720ml 1.313円)」

うまい!一口飲んで、すぐにうまい!
おり(もろみを粗く搾ると残る白いにごり部分)がらみの効果が出ていて、フルーティーでジューシィ。甘味豊富。含み香もふわっとくる。でも、キレはバツグン。イヤな味は一切、舌に残らない。
イカの塩辛との相性はバツグンで、4合瓶なので油断すると一気に空けてしまいそう。
肩のリハビリ中なのでセーブしないと。

イカの塩辛は、スルメイカを捌いて、肝と醤油と少々の塩で和えただけ。
ただし、肝が新鮮でないとダメ。肝の色がピンク〜アイボリーで、ぷくぷくに太っていれば最高。
茶色くてへたっているのは鉄臭くて全然ダメなので、肝は捨てて普通にショウガ醤油につけて刺し身で食べた方がいいです。

あと、内臓が新鮮なスルメイカを選ぶコツ。
胴が全体に真っ黒なこと。身がへたってないこと。胴の途中で輪切りにしたらほぼ円形になりそうな感じであること。全体にでっかいこと。刺し身用として売っていることが絶対条件。
普通のスーパーにもたまにそういうのが出ます。
確実に手に入れるなら、朝5時に起きて生鮮卸売り市場に行くべし。
名古屋なら柳橋市場に行けば、個人でも買えます。1パイだけでも売ってくれます。

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私は女性読者を妊娠させました

実は、私はこれまでに女性の読者を3人、妊娠させています。

って、『実在ニョーボよしえサン日記』3巻の中にあるネタなんですけどね。
でも、妊娠させたのは本当です、ええ。

90年代の初めにニフティサーブというパソコン通信(企業が経営する会員制のインターネットみたいなやつ)をやり出して、見知らぬ人と個人間でメールのやり取りができるようになりました。
それまではモーニング編集部経由で来るファンレターか、モーニング誌巻末に付いてるアンケートハガキの感想欄くらいでしか読者さんの声を聞けなかったのですが、パソコンのネットで接点がかなり広がりました。しかも、容易に双方向でやり取りが継続できます。

そうすると、けっこう深い話をしてくる人が出てきまして。

いや、手書きのファンレター時代にもそういう方はいました。
中学校で深刻なイジメにあってて、自殺を決意した日に、1人だけ少し話ができた同級生に自分が大事にしていた『気分は形而上』の単行本をあげたら、その同級生も『気分は形而上』のファンで単行本全巻や臨時増刊まで持ってて、2人で話し込んでるうちに自殺を思いとどまり、その後、大学生になってから「今、僕が生きているのは先生のおかげです」とファンレターをくれた人もいます。

こういう深いお便りが、電子メールが可能になって、いろんな人から来るようになります。
『気分は形而上』の「実在ニョーボ」シリーズや『よしえサン』でマタニティ編や子育て編を描いていた頃だったので、マタニティブルーや産後ブルー、子育ての悩み、不妊症などで悩んでいる方々からのメールがいくつも来ました。

私などにたいしたアドバイスができるわけもないのですが、とにかく気持ちをほぐすような返事を書きました。
そうすると、多分これは私ではなくニョーボの神通力なんでしょうけど、全然出なかったオッパイがあふれるくらい出るようになった、とか、子供がかわいく思えるようになって育児に余裕ができた、とか、気持ちが楽になってもう夫と2人の人生を楽しめばいいやと本気で思うようになり不妊治療をやめたとたん妊娠した、といった報告が来るようになったのです。
特に不妊症から妊娠に至った人は10年くらいの間に3人を数えました。

で、今回、4人目が現れたのです。
つい、昨日のことです。ファンのお1人が開設して下さっている「ファン交流掲示板」にそのお子さんが書き込みに来ていたことがわかりました。

間接的に人の命を救ったり、命を生み出したり、こういうことがあるから今もマンガを描き続けていられます。

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羽生・渡辺オタ

3勝3敗のタイで迎えた第21期将棋竜王戦最終第7局は史上稀に見る死闘、接戦の末、渡辺竜王が勝ち切って、ついに将棋界初の3連敗から4連勝で竜王位防衛。相手が羽生名人なので、これは奇跡と言っていい。
渡辺竜王はこれで5連覇となり、初代永世竜王の資格を獲得。

ネットとNHKのBS中継で観戦中、私は微妙に羽生名人の方に感情移入していた。
やっぱ、永世七冠という大偉業達成の瞬間に立ち会いたい。そもそもずっと羽生オタだし。

竜王戦はタイトル挑戦までがものすごく難しいと羽生オタ、羽生目線の私は感じる。
特に1組はA級棋士がそろっていて、その中でリーグ戦ならまだしも、トーナメント(2敗で終わってしまう)なので、羽生さんといえども最後まで勝ち抜くのは困難。
ここ5年間はランキング戦の結果を追いかけるのが苦痛だった。今年なんか1回戦で深浦王位に負けちゃって、挑戦までの道のりを考えただけで頭がクラクラした。
幸い、その後、薄氷の逆転勝利を連発して何とか挑戦までたどり着いただけに、どうしても竜王位に復冠してほしいというのが全羽生オタの総意だったと思う。

ただ、私の場合渡辺竜王オタでもある。
今回、第1〜3局での羽生名人との圧倒的な差を見て、このまま4連敗で終わったら渡辺竜王は少なくとも5年間はショックで低迷してしまうとさえ感じた。下手すると順位戦もB2に落ちちゃうんじゃないか?とも。
だから怒濤の反発で3勝返してくれてすごくうれしかった。

で、最終局が終わって、羽生・渡辺オタの私としては、現時点ではこの結果でよかったなあとつくづく思う。
たしかに羽生永世7冠、羽生名人・竜王・棋聖・王座・王将の現五冠ってのはすごく心地いい響きだ。
でも、その場合、渡辺九段なのだ。私は渡辺竜王オタではあるが、渡辺九段オタでもいられるかは自信がない。

今回、ギリギリの死闘を演じられたので、渡辺九段になっちゃってもそのまま低迷することはなさそうだが、まだ年内に残っている22日の順位戦B1級、対久保八段戦で対局している渡辺九段とかを想像すると、あーやっぱりこれはあっちゃならない図だなあ、などと思う。
羽生名人、渡辺竜王の図が残って本当によかった。

自信を完全に回復したであろう渡辺竜王には、ぜひとも今期の順位戦、残り4局を全勝して、何とかギリギリA級昇級に届いてほしい。
羽生名人には当然、来年の名人戦で防衛していただきたい。
で、再来年は羽生・渡辺の名人戦だ。
その時点で竜王は羽生さんが持っててほしい。あと棋王も。

永世七冠&現六冠の羽生名人対渡辺王位の名人戦を観たい。
多分、私は渡辺名人の誕生を望んでいると思う。
絶対観たくないのは、順位戦A級での両者の対局だ。

今回はオタ度満開でブログ書いてみました。
渡辺永世竜王、おめでとうございます。

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竜王戦はついに最終第7局決戦へ

第21期将棋竜王戦第6局は渡辺竜王が勝って、ついに3対3のタイスコアに持ち込んだ。

戦型は矢倉急戦。
34手目に後手の渡辺竜王が「誰にも言わずに温めて」いたという新手の△3一玉を放ち、それを羽生名人が一気に咎める反発をせず、いったん自重したため、以降ずっと渡辺ペースに。
先手矢倉の羽生名人がこれほど一方的に負けるのを見たのは初めてだ。

最終第7局はひたすら将棋の内容を楽しめそうだ。どっちが勝って永世竜王になってもうれしい。

ところで、今局、NHKのBS中継ですごい話を聞いた。

羽生名人3連勝の後の第4局、終盤で羽生名人が勝ちをほぼ確信した時に出る手の震えを渡辺竜王が2回も止めて、最後は打ち歩詰め(歩を打って王手して詰むのは反則)で後手玉が詰まず、竜王の勝ちというまさに大逆転の1局。

しかし、なんと渡辺竜王はぎりぎりまで打ち歩詰めの筋に気づいていなかったという。
122手目「秒に読まれ、一瞬ガクっとうなだれたような仕草をした後」に△3七成桂を指したその直後、もし羽生名人がすぐに同桂と着手していたら、そこですぐに投了するつもりだったらしい。

ところが羽生名人はいったんそこで1分40秒かけてゆっくりとお茶を飲んだ。
その時、渡辺竜王は自玉が打ち歩詰めの筋に入っており詰まないことを発見したという。
「あきらめたらそこで終わりだよ」とダンナに粘らせた渡辺ニョーボのブログの神通力か。

もし、投了していたら、検討陣のいる控え室からは史上最大の悲鳴が上がっていただろう。そして、終局後、渡辺前竜王は棋士生命にかかわる大ショックを受けていたはずだ。
去年の名人戦第3局での森内名人の大ポカの比ではない。ただの1ファンに過ぎない私でも想像しただけで背筋がぞっとする。

第7局は17日からだから、もう1週間もない。
第6局では羽生名人は1日目の夜から食事にほとんど手をつけなかったそうで、体調がちょっと心配だ。
やはり、永世7冠にあと1勝というのは想像を超えたプレッシャーなのだろう。
インフルエンザが流行り出しているし、両者、完璧な体調で第7局を迎えてほしいものだ。

しかし、こんな緊迫した日程の中、なんで15日に朝日杯将棋オープン戦を入れるかね?

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渡辺竜王、会心の将棋で2勝目!

第21期将棋竜王戦で渡辺竜王が3連敗の後、第4局に続いて第5局でも勝って、挑戦者羽生名人との対戦成績を2勝3敗にまで押し返した。

今回は相矢倉だったが、先手渡辺竜王の序盤作戦が決まって、ずっと攻勢のまま押し切った形だ。

しかし、羽生名人に対してわずかなリードを維持し続けて投了にまで持っていくことはものすごく難しい。
過去に何人、途中でまくられたことか。
渡辺竜王は一手のミスもなく、完璧に攻め切ってしまった。

111手目の▲3五歩は控え室のプロ棋士達による検討陣も発見していない決め手で、これ以外だと羽生名人がしのぎ切ったのではないかと言われている。
前のブログで私は「渡辺竜王は研究将棋に秀でて」と書いたが、研究できるのは主に序盤〜中盤であり、最終盤では地力がものを言う。渡辺竜王はこの終盤力にも定評があり、だからこそ竜王4連覇も可能だったと言っていい。

今回の竜王戦では、最初の3局は羽生名人のオーラに無意識に臆してしまうところがあったのか、渡辺竜王の自滅のようなミスもあった。腰を据えて読むべきところで、勢いに任せて指してしまい、その後の有効な手がなくて唖然とした、というようなこともあった。
このままいいところなく4連敗で終わるのか……第4局などはそういうプレッシャーで一杯だっただろう。

しかし、第4局で将棋の神様が指運をくれて、それに応えるように見事に終盤をしのげたことが、完全に渡辺竜王の本来の自信を回復させたようだ。
今、渡辺竜王は無心で羽生名人の前に座れているのだと思う。勝ち負けよりも、失冠・防衛よりも、とにかくすごい将棋を指したい、ファンが納得する良い将棋を指したい、ただそれだけなのだろう。
だから手が見える。将棋盤の前で、自分が持つ力の全てを炸裂させられる、そんな心境になってきたに違いない。

第5局から最終第7局までは毎週対局があるという、一つのタイトル戦では珍しいハードスケジュールになってきたが、調子の波に乗った渡辺竜王には明らかにプラスに働いていると思う。

とにかく来週も勝って、3勝3敗のタイに持ち込んでほしい。
過去、タイトル戦7番勝負で最初に3連敗して4連勝を返した例は皆無である。
だが、次に勝てばそれも現実味を帯びてくる。

最終局はいったいどっちを応援していいのか自分でもわからなくなりそうだが、とにかく世紀の一戦をあと2つ観たい。
今はただそれだけである。

竜王戦スレには渡辺竜王を応援する人が半分以上いた。もう、戦前におそらく渡辺竜王が心配していた羽生永世7冠待望一色のタイトル戦ではない。皆が渡辺竜王の強さを肌で感じるタイトル戦となっており、天才棋士同士の世代決戦の様相を呈してきている。
過去ただ1人、小学4年生で小学生名人を獲得した天才棋士渡辺竜王が、希代の天才棋士羽生名人と、世紀の決戦を展開しているのだ。

渡辺竜王、思いっきり将棋盤にダイブして下さい。

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いけるぞ!渡辺竜王!

きのう(5日)から渡辺竜王対羽生名人による第21期竜王戦第5局の1日目が始まった。
6日の夜には勝敗が決するが、今のところ、渡辺竜王がちょっと指しやすい形勢か。

渡辺竜王は研究将棋に秀でていて、今回も永世竜王をかけた世紀の一戦に臨むにあたり、いくつかはかなり緻密に練り上げた研究作戦を用意してきたに違いない。
だが、羽生名人はそれを外すように、1局目から力戦系に誘導してきたようにも思える。
「作戦じゃなく、どっちが将棋が強いか自力勝負で来い」みたいな。

結果は羽生名人の3連勝。そして、渡辺竜王が妻の精神的バックアップも得て、第4局では、指運も味方してぎりぎりでしのいで1勝を返した。

この第5局は羽生名人が、まともに渡辺竜王の作戦が待っていそうな戦型に、あえて飛び込んだ形だ。
下手すると作戦巧者の渡辺竜王の矢倉最新戦法に一気にやられてしまうかもしれない。
ここは、3勝1敗と竜王位および永世竜王位獲得にリーチをかけている棋界の第一人者の余裕だろうか。

で、私はといえば、当然待ってましたとばかりネット観戦している。
もちろん、2ちゃんの竜王戦スレでの実況にも加わっている。

あらためて、2ちゃんのスレの存在はありがたい。これがないとかなり味気ない進行になりかねない。
テレビでもNHKのBS2で生中継があるが、朝と夕方のほんの1〜2時間ほどである。
しかも、今日2日目は国会中継が入ってしまい、本来夕方2時間の放送予定が、なんと20分に短縮だ。
委員会が紛糾して長引いたら1秒も中継されない可能性もある。
羽生名人が永世7冠達成かもしれないというのに、あんなアホタレ国会を優先するとは。

と、こういう怒りは当然、竜王戦スレでもみんなが書き込んでいる。
思いが共有できるので実に心強い。

2ちゃんの将棋板では、竜王戦だけでなく、他の棋戦・タイトル戦でもスレが立ち、私はその全てに参加している。
王位戦などは棋戦をサポートしネット配信する新聞社(私がマンガを連載している中日新聞社が基幹新聞社)がかなり力を入れていて、棋譜再生画面や両対局者のリアルタイム画像(30秒更新)、及び、生の盤面を天井からリアルタイム撮影している画像などがアップされている。

ただ、その画像が全部バラバラなので、パソコンのディスプレイに全部広げて並べるのはちょっと大変だ。棋譜再生画面も自分でいちいち更新ボタンを押さなきゃダメだったりする。

ところが、2ちゃんの王位戦スレでは、有志がそれらの画像を1個にまとめたマクロファイルをアップしてくれたりする。それをコピペして自分で開くと、自動更新の棋譜画面と両対局者・盤面の画像が1枚のファイルで表示されるものが出てくるのだ。スレ住人による全くのボランティアである。

私は最初にこれを見た時、マジで感動した。2ちゃんねるというものを根本から見直した。
それまで、漫画板における私に対する叩きスレを元に私の心の中に形成されていた2ちゃんへのイメージが一新された。

漫画板の私への叩きスレの存在は7〜8年前から知っていた。
一度、私のファンの方が作って下さったファン交流掲示板に荒らしのような人が多数来るようになって、それに反論したファンの方が、その掲示板ではなく2ちゃんの叩きスレでハンドルネームと掲示板の書き込みをコピペされてとことんなじられたという事件があり、私はその頃2ちゃんは全く読んでなかったので気づかなかったのだが、そのご本人から「自分が変な反論を書いてしまったことで、2ちゃんねるにまで波及させてしまいました。もう二度と掲示板には来ません。申し訳ありませんでした」というメールが来て初めて自分への叩きスレの存在に気がついた。

その時、一度だけ、当時の叩きスレの200発言くらいを読んでみた。読んで、マジで吐き気が体を襲った。これほどまでに悪意に満ちた書き込みが続く場所があるとは。しかも、多分、この人達とは直には一度も会ったことがないはずである。いかにマンガに自分のことを実話風に描いているとはいえ、一部の読者から、ここまで悪意の間接的干渉があるとは思わなかった。怖くて、気持ち悪くて、以後、二度と2ちゃんにはどんな板にもスレにもアクセスしないでおこうと思った。

その後、ファンの方から「叩きスレの住人が先生のファン交流掲示板を襲撃する計画を立ててますよ」みたいな情報を寄せていただいたこともあったが、無視してやり過ごしてきた。

そのままだったら、永遠に2ちゃんには近寄らないままだった。
だから、将棋に興味を持ったことと、将棋板に出会うことが出来た運には感謝している。
いわゆる「また〜り」した場所もあるんだなあ、そういうのを見つけられてラッキーだなあと今は思っている。

ただ、ちょっと気がかりなのは、その竜王戦スレにも、私がブログでちょっと書いてしまったせいで、「このレスは須賀原だ」みたいなレスがあること。
はっきり言って、一度も当てられていない。
どうも、渡辺竜王を一方的に応援している書き込みを私のものと誤解している人が若干いるようだ。
私は元々羽生さんの大ファンだと「週刊SPA!」の著者近況欄に何度も書いているのに。
今回の、世紀の大決戦である竜王戦で、自分が羽生、渡辺のどっちのファンなのか、観戦してみないと自分でもわからない、と書いているのに。
変な言い方だが、私呼ばわりされた人には申し訳なく思います。ごめんなさい。

で、今は渡辺寄りである。おそらく第6戦まではこのままだろう。
最終局の第7戦でどっちを応援してしまうのか、自分でもちょっと楽しみだったりする。

多分、竜王戦スレで私の名前を出している人は、元々の将棋ファンではないのだろう。もしかすると叩きスレの住人なのかも。だから、スレの空気を読めない書き込みをしてるんだろう。
竜王戦スレのかねてからの住人の方々には申し訳ない気持ちで一杯である。私がブログで余計なことを書かなければ、こんな変なやつらはスレに沸かなかったわけで、心底ごめんなさい。

でも、将棋板の実況スレの面白さはどうしても語りたくなってしまうのですよ。感謝を込めて。

さて、この第5局、私は渡辺竜王が押し切ると見ます。最後は紛れますが、竜王が長手数の細い詰みを発見して勝つと見た。
肩のリハビリ日程を第6局に重ならないようにした私に免じて、渡辺竜王にはなんとしても勝ち切ってほしいです。

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ヒミツの裁判員

裁判員候補になった、とブログに書いたら法律違反になるそうで。
家族や会社の上司などに言うのはいいが、公にしてはいけないそうだ。

裁判員、ぜひやってみたいと思っている。
裁判を生で体験できるなんて、興味津々、目ン玉ギラギラである。

そして、当然、それをマンガに描きたい。『よしえサン日記』で体験記を描きたい。

もちろん、具体的な中身は描かない。人の名前はもちろん、どんな事件だったかなどの守秘義務を破るつもりはない。

でも、裁判員になったこと自体や、裁判員制度による裁判がどんな流れで行われるのか、あるいはその雰囲気や感想くらい描いてもいいのではないか。
さらに、その時の裁判官や裁判所職員などから感じたイメージなども描きたいが、描くと何か問題があるんだろうか。

むしろ、公益という観点から言えば、そういう実際的な感想がどんどん出てきた方が、裁判制度を国民が自分たちのものとして意識しやすくなるんじゃないだろうか。

これまでにも模擬裁判という形で実際に行われ、その様子は国民に伝えられてはいるが、ああいうのは元々見せる前提でやっているので、優等生的に執り行われていたかもしれないし。
裁判官や検察官、弁護士、裁判員、被告人などが本音や感情をむき出しにする場面だってあるだろうし、そういう実態を我々は知りたいし、知っておくべきではないだろうか。

そもそも、秘密にしなければならない理由は、裁判員自身が後で不利益を被らないようにという配慮からだそうだ。だから違反した場合の罰則もない。

しかし、本当の理由は裁判官達が国民に批判されたくないからじゃないか?

裁判官には世間の常識をよくわかっていない人が多いのではないか?という声が昔からある。
例えば、最近で言えば、電車の中でケータイを使っている女性に注意した男性が、その女性からいきなり痴漢扱いされて逮捕された事件があった。刑事では不起訴になったが、男性が女性に対して損害賠償請求のために起こした民事裁判では、裁判官が「男性は痴漢をした」と認定してしまった。
その理由は「普通、女性はケータイを注意されたくらいで相手を痴漢冤罪に陥れたりはしない」というものだった。
これは「人間は他人を逆恨みで陥れるようなことはしない」と言うに等しい考え方だと思う。

きっと、こんな世間知らず、常識知らずの裁判官はけっこうな数いるに違いない。

司法試験に受かり、さらにその中でも特に成績優秀な者が検察官や裁判官になれると聞く。
しかし、司法試験で人間は磨かれるのだろうか。
むしろ、勉強勉強の毎日で、しかも法律的な思考ばかりが磨かれ、人格的には疲弊するんじゃないの?といった疑念すら沸いてくる。

というようなことをブログ用に書いていたら、テレビの「ミヤネ屋」で裁判員制度が話題になっていて、映画監督の崔洋一氏が大反対していた。その理由は主に、「裁判にその時の世論の傾向や庶民感情などが反映されてしまうおそれがある」(大意)だった。

それは良くないことなのだろうか?逆に、死刑になるかもしれないような社会的に重大な事件において、その時々の世論や庶民感情が反映されないような裁判って変じゃないか?

崔氏は、何か理想的な、完璧な理性に基づく法理念みたいなものが存在していて、常にそれだけに則って裁判が行われなければならないと思っているのだろうか。

いや、多分それが法曹界の基本理念でもあるのだろう。裁判官も検察官も弁護士の多くもそう考えていて、そういう理念がないと(またはあるように見せないと)司法試験には受からないのだろう。

だが、誤解を恐れずに言うが、私は裁判というものは、その時の国民が、その社会にそのまま存在していてほしくない人物に対して、みんなでよってたかって責め立てて(一時、あるいは永遠に)排除するためにあるんだと思っている。
変な言葉だが「国民による私刑」が裁判と刑罰だと私は思う。それが、人間によって作られている「社会」というものが持つ普遍的な性質のひとつではないのか。

近代理性に基づいた法理念とやらは、過去に西洋において、一部の頭のいいエリート層が意図的に作り上げた理想であり、それは法治国家を運営していく上での手段に過ぎないと思う。
それを基本に据えて裁判制度が運営されていくことにはとりあえず異論はないが、だからといって、裁判において非理性的な庶民感情なんか入り込んではいけない、などと言うのは本末転倒である。
理想だけではいろいろと問題があるので、ごくごく当たり前の庶民感情を裁判に生かそうとしたのが、裁判員制度導入のそもそもの目的ではないのだろうか。

裁判官も検察官も弁護士も、みんな庶民を常に意識すべきである。
したがって、過剰なまでの守秘義務を課すべきではないし、それでは裁判員制度のメリットは半減してしまうと思う。
批判されたくないのなら、隠すのではなく、見せて意見を採り入れて、批判されないような裁判制度を目指すべきだ。

と、こんなことをブログに書いてると、裁判員候補にはなれても、あるいは指名されて面接までは行っても、裁判員には選ばれないかもしれないな……。

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