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日本の民主党はリベラルか?

菅副代表や鳩山幹事長が街頭演説などでよく言う「一度、民主党に政権をまかせてみて下さい」というフレーズがとても引っかかる。
小沢代表なんか、それに加えて「ダメならまた元に戻したっていい」とさえ言う。

「国民の皆さんに選択権があるんですよ。今の与党の政治じゃ、皆さん生活に不満一杯でしょ?これ、皆さんの1票の集積でとりあえず変えられるんですよ」ってな意味なんだろうけど、「一度」としか言えない政党に、現在の最悪と言っていい経済状況の日本をまかせてみようという気になるだろうか。
「絶対の自信があるので、これから50年は我々民主党がやらせていただく!」とか堂々と言えないもんだろうか。

実は本当に自信がないのかもしれない。党内の右と左があまりにもかけ離れ過ぎてて、トップが思い切った政策を出しても妥協とすり合わせの連続で、最後には、これまで自民がやってきたものよりさらに痩せ細るのではないか。

多分、小沢代表自身がそういう懸念を持ってるんだろう。だから、福田政権との大連立騒ぎの時に「民主党にはまだ政権担当能力がない」みたいなことを口走っちゃうわけで。

国会質疑では、「カップ麺は1個いくらかご存知ですか?」だの「総理は飲食店でクーポン券を使ったことがあるか」といった質問を麻生総理に浴びせて、総理に庶民感覚がないことを浮き彫りにしようとしているが、民主党が裏でかなり次元の低い戦略会議を開いている様がありありと浮かんできて、あざとさしか感じない。

で、マスコミもこういうのを積極的に採り上げる。そもそもマスコミ自身が総理ぶら下がり会見で、「毎晩、高級なバーで飲むのは庶民とかけ離れて……」みたいにあざとく攻めて見せる。選挙に向けてマスコミと民主党が共闘してるようなイメージすらある。(唯一、サンケイ新聞だけは麻生総理が実は庶民的な居酒屋にもよく行っていたという報道をしていて、マスメディアとしてのバランス感覚に感心したが。)

しかしそもそも、これってはたして麻生総理と「庶民」を引き離すことに成功してるだろうか。
むしろ逆に、「マスコミや野党に連日ツつかれてる麻生さん」みたいなイメージでもって、これまで高い位置にいてあんまり見えなかった麻生太郎という存在を庶民のところまでおろして身近な存在にしちゃってないか?

株価もここ数日は大幅続伸してるみたいだし、もしこのまま年内に1万円台回復、しばらく安定、なんてことになれば、麻生総理が野党(与党にも)責められながらも解散を先送りし、緊急経済対策に専念してきたことをマスコミもある程度は認めざるを得なくなり、機をとらえた総理が年明け解散、まさかの自民大勝利、なんてことさえあり得そうな気がしてくる。

と、一見自民寄りの見方を書いているが、私自身は思想的には全然保守派ではない。1985年頃、マンガ家になって平日の昼間からテレビを観るようになって以来、国会中継ファンになり、そこでまず、毎回非常にキレのある質問を連発する共産党が好きになった(当時の自民党の閣僚は本当にアホばっかりで、自分では何も答えられず、答弁は「善処します」「前向きに検討します」だけだった。専門的なことは全部官僚に代わりに答えさせてた)。選挙では何回も共産党に投票してきた。「一度」だけなら政権を取らせてみたいのは共産党だ。彼ら彼女らなら、過去の政治がやってきた汚い部分の裏の裏まで明るみに出してくれそうだから。

思想的には多分、私はリベラル派だ。リベラルといえば、日本では民主党。本当は民主党にがんばってほしい。
だから、実は核武装容認派で、国連軍に自衛隊を軍隊として派遣して武力行使もOKで、憲法改正しなくてもそれはできると言っている小沢一郎がなんで代表になってるのか理解に苦しむ。

「リベラル」というのはどういう思想か。
これの反対は「新自由主義」だ。小泉と竹中が推進した路線だ。

誤解を恐れずに簡単に説明しちゃおう。
「新自由主義」というのは、世界の大金持ち達がさらに裕福になるような政策を展開していけば、社会全体が潤い、底辺層もその分ちゃんと潤う、という考え方。

「リベラル」は、例えばアフガニスタンの難民の1人を地球の王様にしたら、はたして王様はどのような政治をするか?ということを想像して、そういう政治を実際にやろうとする考え方だ。

地球の資源が無尽蔵にあると信じられていた時代なら「新自由主義」でいいだろう。
でも、実際には石油は枯渇まであと数十年であり、この1世紀以上の間、石油に限らず他の貴重な資源は先進国だけのために使われ、いつも、常に、その日の食べ物に困る貧民層を地球上のあちこちに膨大な数、存在させてきた。
それらを救うには、共産主義・社会主義かリベラル思想しかない。

共産主義・社会主義だと、人間に個人的な欲望というものがある限り、国家が統制する計画経済ではどうしても不満層が発生する。人類がかつて一度も資本主義、自由経済を経験していないのならまだしも、一度蜜の甘さを味わってしまった以上、今後、共産主義・社会主義での地球統一は無理だ。

でも、底辺層の視点から社会全体の幸福を考えるリベラル思想社会なら実現可能だ。資本主義や自由主義経済は維持しながら、人類全体の幸福を最底辺から考える、真に現実的な理想社会の実現。
アメリカのオバマはそれを目指している。

じゃあ、日本は誰を総理にすればベストなのか。
まあ、現時点では誰も賛同しないだろうが、私は一度、加藤紘一か谷垣禎一にやらせればいいと思う。
この人達なら「一度」やらせてみる価値はある。
ダメだったら代えればいいじゃないか。
そのくらいの余裕は、日本にはまだある。

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